ドンドン!ドンドン!
ある朝、強く戸を叩きつける音で目を醒ました。
眠い目をこすり時計に目をやると5時を少し回ったかというところだ。
「グゴゴゴゴ……。誰だ?わが眠りを さまたげる者は?」
気分は完全にエスタークである。
とはいえAI2回行動のスキルもないし、滅ぼされてしまっては困るので、仕方なく起き上がって対応することにした。
玄関までいって覗き窓から外を覗いてみると、深淵がこちらを覗き返した。
嫌な予感がする……。やっぱり警察を呼ぼう。
そう思って引き返そうとしたとき、戸の向こうで声がした。
「裏短コン、やりませんか?」
アイエエエ!?ウラタンコン!?ウラタンコンナンデ!?
そう、戸の向こうに立っていたのはほっとさんだったのである。
説明しよう!
ほっとさんとは、年商5000兆円を誇るほっとベーカリーの店主にして、
看寿賞作家、(実質)解答王、現大学院担当、看寿賞選考委員、
そして一昨年と昨年の裏短コン主催者である!
そんなほっとさんがほっとベーカリーの主力商品、
ホットケーキを片手に今年の裏短コンを主催しないかと誘ってきたのだ。
これを断れるほど私の心は強くない。
体は剣、血潮は鉄で、心は硝子である。
「もちろんやらせていただきます」
その一言を絞り出した私は、満足気に帰っていくほっとさんを見送った後、
手土産のホットケーキと紅茶で山路さんごっこにいそしむのであった……。