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くぼの詰将棋

ぼく(くぼ)の詰将棋ブログです

Twitter詰将棋選手権⑦



tsumegaeru 作

65桂、72玉、73歩、61玉、A 52銀、71玉、72歩成、同玉、73桂成、同玉、63銀成、同歩、65桂、迄13手。

A 53桂打は同角、同桂生、同馬、72角、51玉で逃れ。

評価数 18 誤無解・無評価 1+1
評点 4.00 [0 4 10 4 0 0]
順位 5


今回の課題競作で個人的に一番手順構成が良いと思ったのが本作です。
65桂~73歩~52銀と続けざまに駒を打ち、即座に72歩成~73桂成~63銀成と成り捨てる積み崩し手順は課題bの理想的な表現ですし、それが終われば初手と同じ65桂の一手で詰め上がるのは手順の純度の上で最高の幕引き。
さらにその際初めと違っているのは僅かに6筋の歩の位置のみというのもやはり課題a,bの理想的な表現になっています。
詰将棋としての妙味も申し分ないですし、今回の課題をテーマとして作る上でこれ以上の手順構成はありえないと思わされる見事な手順。私が6点をつけるならこの作品です。

これだけ理想的な手順なのに配置もあまり無理をしたところがなく、まさに完璧……と言いたいところなのですが、一箇所だけ気になる点がありました。それが22飛の配置です。
この飛配置の意味は最終手82飛成の余詰を消すことなのですが、つまるところこれは「課題a:初手と最終手が同一」を成立させるためだけの駒。例えばこれと持駒の桂1枚を省いても詰将棋としては完全になります。
もちろん最終手が65桂であることには非常に大きな価値がありこれは紛れもなく必要駒、むしろ重要な駒です。しかし欲を言えば、作家としては最後は65桂に"限定されるべくして"限定されていていて欲しかった。
22飛を置いたことで最後の65桂に無理やり成立させたという感じが出てしまったのが玉に瑕というわけです。
ただあくまでこれは本作が良いからこそ気になる瑕です。瑕だらけのものに一つ瑕が増えたところで別に気になりませんからね。この瑕があるから本作は駄目というわけではなくて、本作が素晴らしいからこそ、こんな僅かな瑕が気になるのだということは念を押しておきます。

ところで私はこういうとき、すなわち完璧に完璧が重なって、なのに最後の最後で僅かに気に入らないことが生じるとき、私は「神様に愛されなかった」と言ったり思ったりします。
この表現(既出なのかもしれないけれど)、よかったら使って下さい(笑)


tsumegaeru(作者):
3つの課題全てを意識した作品です。最終手以外の全ての攻方の指し手が「後で動かして捨てることになる打ち駒」と「事前に打った駒を動かして捨てる手」のみで構成されているのがこだわりポイントです。


とことんこだわることが名作誕生の秘訣?

柳原裕司:
12手目までがb×3。すべての着手が課題を満たしている、満点の表現。

三輪勝昭:
初形と最終手を指す前は62歩が、63歩になっただけ。
このようにA局面→B局面は一つ変わっただけと言う創り方を僕は原形戻しと呼んでいて、僕が最も好きな創り方。
だからこの作品は僕の作品と思っているのである(笑)。
ん。何か間違えている。自分のブログでも同じ間違えをしたような……(笑)。
この作品は打った駒を後から捨てるを3つやって原形戻しやっていて、課題の面白さを最も生かし、尚且課題作でなくても面白い作品と言えるだろう。
ただ余詰防止に大駒3枚は多いかな。


私も課題作じゃなくても傑作だと思います。
作者予想?はハズレです(笑)

名無し名人:
個人的にはこの作品が一押し。打った駒を捨てる手順は好み。これで課題を全部クリアしているとはお見事。しかし作者の予想がつかない。消去法でikironさんと予想したが(ということは⑥はtsumegaeruさんか)、違和感がある。


名無し名人さんも一押し。好みが合いましたね。
自作と予想していただいたのはとても嬉しい(そうだったらどんなによかったことか……)のですが、こちらもハズレです。

鈴川優希:
これも対比が巧いが配置にもう一工夫あるといい。桃燈さん?


ではtsumegaeruさんと私と桃燈さんとの合作ということに……なりませんか。

divD
12手かけて歩を動かす。22飛は課題aを達成するためだけのようだ。勿体無い!


実は22飛配置が気になりだしたのはdivDさんに最終手を限定する意味しかないだと教えてもらったからだったり。
鋭い観察眼です。

VAN:
歩をちょっと動かすのに大仕事。テーマを自然に取り入れている。

彼方:
3枚捨てて歩をひとつだけ進める、こういうの好み。

桃燈:
玉方の歩を一つ動かすために3枚使う贅沢。

そてつ:
こちらは銀桂歩を使って歩を上げる。

千年回廊:
初形と最終形で歩が進んだだけというおもしろさ。


やはり初手を指した局面と詰上りとの対比について言及した評が多かったです。
12手と3枚かけてこれだけしか違いがなく、しかしそれだけの違いで一手詰になるというのは訴える力がありますよね。

ぬ:
打った駒の3連捨てが素晴らしい。

河童生:
次々に打った駒が、次々に消えて行く。
65桂打で始まり、65桂打で終わる、これも一趣向ですね。

オオサキ:
直接の打ち捨てで歩を動かさないところにセンスを感じる。

たちおか:
銀を設置してからの巻き戻すような手順が好きです。

くろかず:
3連続捨て駒でフィニッシュ!結構好きです。

ゆーてん:
これぞパズルって感じですね。「初手と最終手が同一」ってヒントがなければ解けなかったです。

有吉弘敏:
想像通りの詰め上がりですね。

黄楊の輝き:
流れのある手順。3つの条件を全て満たしているところに技術を感じる。

[ 2015/11/29 06:00 ] Twitter詰将棋選手権 | TB(0) | CM(0)

Twitter詰将棋選手権⑥



divD 作

24銀、同玉、33角、23玉、22角成、同玉、33桂成、 13玉、23成桂、14玉、24成桂、15玉、25成桂、迄13手。

12玉は23成桂、11玉、22成桂、迄早い。

評価数 18 誤無解・無評価 2
評点 3.06 [0 1 3 10 4 0]
順位 10


6作目は「大駒4枚捨て」や「駒の一回転」など、明確なテーマを持った作品の創作を得意とするdivD氏。
本作も駒の軌跡シリーズ、作者の言葉を借りれば「玉と桂の動きに注目」とのことです。
さてそれはどんな動きなのか、早速見ていきましょう。

変化・紛れはそんなに深くないのがありがたいところ。24銀~33角はこの一手です。
そして直後に22角成と成り捨てるのが"打った直後に捨てる"気持ちの良い好手。ほかにあまり手がないとはいえ、ここで持駒を使い切ってしまうのは少し勇気がいります。
そして33桂成ともう一人の主役が動き始めたら、後は一気呵成。25成桂迄、玉と桂が元の位置に戻って詰め上ります。

初形と終形を比べてみると、25の桂が成っているだけ。
この鮮やかな対比を課題を二つ満たしながら表現したのは見事です。
配置や手順にも無理をしたところ全くなく、自然な配置、自然な手の流れの中でパッと終形が浮かび上がる美しい作品。作者らしい好作と思いました。


divD:
玉と桂の動きに注目

ぬ:
初形と詰め上がりを比べると、桂が裏返っただけ!

たちおか:
気付けば桂が裏返ってビックリです。

彼方:
初形と詰上がりの対比が分かりやすく表現されている。

そてつ:
角銀を使って桂を裏返す。

VAN:
生桂が成桂になって帰還。

千年回廊:
桂が成って同じ場所に戻る手順がおもしろい。

ゆーてん:
初形から桂馬が成っただけの詰め上がりになるのは美しいですね。

柳原裕司:
アイデアを買う。


初形終形の対比が視覚的に鮮やかで、多くコメントが集まりました。

桃燈:
手順の面白みに欠けるが初形と詰上りの対比が見事。

黄楊の輝き:
最後惜しいけど仕方ないか。

オオサキ:
やりたいことは分かるけど地味すぎる。


反面、ちょっと手順は地味だったかもしれませんね。でも易しいのはこういう企画ではありがたい!

tsumegaeru:
還元玉としては理想的な玉の軌跡。

有吉弘敏:
玉の軌跡が面白いです。


実は「玉の軌跡が平行四辺形になる」のがもともと描いたテーマなんだと、作者本人から伺った記憶があります。
ちょっとうろ覚えなので、良かったらそのあたりの話をコメントに書き込んでいただけると幸いです。

くろかず:
最後の還元玉はうれしいおまけ。

河童生:
一瞥、25桂が居なければ。7手目ようやく桂が動いたぞ、です。

三輪勝昭:
初形→詰上がりは生桂→成桂になっただけをやりたかったのね。
この枚数で出来たのはお手柄。
作者はdivD氏かな。

鈴川優希:
いとも簡単に難しいことをやってのける! DivDさん?

名無し名人:
25桂を原形のまま成桂に。個人的には趣味じゃないけど、ありだと思う。作者はF和さんかと思ったら、参加名簿に名前がない(笑)ということはikironさんかtsumegaeruさんあたりか。


コメントでの作者当てはお二人が正解。
でもF和さんっぽいというのも凄くよくわかります(笑)
[ 2015/11/27 01:00 ] Twitter詰将棋選手権 | TB(0) | CM(2)

Twitter詰将棋選手権⑤



しゅお 作

22龍、同玉、A 32金、 13玉、14歩、12玉、22金、同玉、42龍、21玉、22龍、迄11手。

22玉は14龍~22金。32同玉は42龍、同金、同桂成、21玉、22金、迄早い。
A 13金は同玉、14歩、12玉、42龍、同金で逃れ。

評価数 18 誤無解・無評価 2
評点 2.00 [0 0 1 4 7 6]
順位 17


5作目にして初めて、3つの課題全てを完全に満たした作品が登場です。
課題を複数あったら、グランドスラムを達成するのは一つの大きな価値であり目標。それを今回の企画中最短で成し遂げたことには大きな意義があると思います。

手順に変化・紛れはあまりありませんが、3手目32金と控えて打つ手が好感触の一手。
14歩を据えた後これをすぐに捨てるのも味のよいところです。(ここで「課題b:打った駒を後で捨てる」を達成)
課題bをただ満たすだけでなく、打つ駒も捨駒になっているのがいい工夫ですね。

そして42龍の両王手から22龍と、初手と同一の最終手で詰上り。
着手そのものが同一であるだけでなく、22龍に至る動き(42龍→22龍)も揃っているところに作者の美意識を感じます。
あとは駒取りかどうかも統一してくれたら完璧でした。

駒取りや左側の配置など課題達成のためにちょっと無理をした感じもあり、評点は伸び悩みましたが、作家的にはとにかく狙いを実現させるという姿勢は大切だと思っています。
また主観ではありますが、狙いありきの作品の方が置きにいった作品よりも少なくとも見ていて楽しいと思います。
作者にはもっと難しい狙いにもチャレンジしてみてほしいところです。


しゅお(作者):
皆さん難問でしょうから、条件abc満たしつつ易しめで解きやすいが本作の意図です。
選択できる課題全てを入れながら、短編作品としてまとめた詰将棋です。 3つの課題それぞれの意味を確認するのも兼ねて解いてみてください。


確かに解きやすかったですし、3課題を満たしての最短手数でもありました。
作者の狙いは成功ですね。

VAN:
少し強引だが全テーマが入っている。

たちおか:
1枚目の龍を捨てる③の形に、金の押し売りをプラス。

黄楊の輝き:
3手目チョット考えた。

ゆーてん:
打ち歩の筋にハマってしまいました。金捨てがなかなか見えなかった。

そてつ:
32金から22金の味はいい。

彼方:
駒取りの味は悪いが、22金とにじり寄る手の感触はいい。

くろかず:
最初の3手に苦戦。ただそこからはインパクトに欠けるかもしれない。


やはり32金~22金の感触が良かったようです。

三輪勝昭:
3手目に24龍を読んで時間を食った。32金を打って後から捨てる味は良い。
41桂51金53銀54桂の配置は工夫されたし。

河童生:
駒配置がいささか重いかな。初手は22金捨てと対手ですね。

千年回廊:
もう少し駒を減らしたかった。

名無し名人:
課題aを捨ててでも初手を省いて41桂→21桂にすべき。

ぬ:
課題全制覇のためとはいえ、あからさまな駒取りはどうかと思います。

桃燈:
課題に合わせるための初手が嫌味に見える。

tsumegaeru:
手順が少し残念。

divD:
課題3つ達成しているが無理矢理な感じ。


課題オールクリアのために無理をした感じのあるところに言及した短評が多くありました。
確かに無理をした感もあるのですが、まずは全ての課題を満たすという目標をちゃんと達成しているのが素晴らしく、それが一番大切なことなんだと思います。それをした上で全体の完成度にまで気を配れるようになったら、もうベテランの域でしょう。

もちろんいずれは細部まで作り込まれた作者の作品も見てみたいですけどね。また参加して下さい!

[ 2015/11/18 19:00 ] Twitter詰将棋選手権 | TB(0) | CM(0)

Twitter詰将棋選手権④



柳原裕司 作

25桂、24玉、13桂成、 25桂合、A 14成桂、33玉、37飛、同桂成、25桂、迄9手。

13玉は15飛。33玉は37飛、24玉、14成桂。
A 同飛右は13玉で逃れ。同飛左は33玉で逃れ。

評価数 19 誤無解・無評価 0+1  ※ +1は作者の意
評点 4.16 [0 5 12 2 0 0]
順位 4


4作目は柳原氏。昨年のプレ短コンでは堂々の優勝を飾った作者、今回も手数の不利を跳ねのけて4位に入賞(賞はないけど)です。流石!

初手25桂は当然ですが、24玉、13桂成に25桂合と、桂が跳ねた跡地に今度は玉方が桂を捨合するのが妙防です。同飛右なら13玉と逃げて、飛が重なっているため45の飛を1筋に回れません。
よって以下14成桂、33玉と進み、ここで37飛と捨てるのが決め手。対してこれを同桂と取るために、2手目は歩合ではなく桂合だったわけですね。
37飛を同桂成と桂で取らせて、跡地に25桂!と打ち込めば詰上りです。

軽い捨駒や捨合を交えながら、お互いの桂が25の地点を取り合うような手順が面白いと思いました。初手と最終手を含んで3度の25桂がとても印象的です。
すっきりと整った初形も言うに及ばず素晴らしく、上位も当然の秀作でしょう。
当企画で貰っちゃってよかったのかなあ?と思わなくもありません(笑)


柳原裕司(作者):
3手目を捨駒と見なせば①②③オールクリアなのですが......残念。

オオサキ:
25桂を双方ともに指すのが良い。

桃燈:
25に3度桂馬が現れる。綺麗にまとまっている。


課題の初手と最終手、そして間に玉方の25桂と。それが捨合という妙防によっているのもいい味です。

河童生:
桂の使い方が巧み。合駒の桂で飛を取らせたのは、お見事。

tsumegaeru:
桂捨合をさらにもう一度動かすのが素晴らしい。

千年回廊:
捨て合した駒を動かす手順がうまい。

彼方:
桂中合が絶妙。

ぬ:
捨合の桂を動かすのは良いです。 ただ、課題とあまり関係ないように思います。

divD:
合駒桂跳。簡素形で見事。

そてつ:
無駄のない配置に9手の中でタダの合駒を動かすとは…。

くろかず:
限定合を跳ねさせて収束とは綺麗すぎる。


桂捨合、そしてそれを跳ねさせての収束にコメントが集中しました。この形から出るのは嬉しい驚き。

たちおか:
全く無駄がなく澄んだ手順。

VAN:
桂合から飛車捨てまで、綺麗に纏まっている。

ゆーてん:
こういう限定合いのものが作れるって憧れます!

黄楊の輝き:
見た目以上に紛れますね。好作です。

三輪勝昭:
シマッタ。7手詰を飛ばして解いてシマッタ(笑)。
完成品過ぎて面白くないと無理やりケチを付けておこう(笑)。
作者は柳原裕司氏。

名無し名人:
無理なく捨合を動かしていて完成度が高い。柳原さんで間違いないでしょう。

有吉弘敏:
Y氏の香りがします。前例なさそうで、可愛い小品。 

hiro:
5手目にクッションを入れて、切れ味鋭く詰め上がる。
合駒の桂馬を動かす、ベテランの味を感じます。上手いですね。
第7回プレ短コンの柳原裕司氏作を連想しました。

鈴川優希:
珍しいタイプの捨合動かし。簡素形なのも素晴らしい。柳原さん?


作者当てはバレバレでした(笑)作風がにじみ出ているんでしょうか。
定まった作風があるというのは羨ましい限りです。

[ 2015/11/14 00:00 ] Twitter詰将棋選手権 | TB(0) | CM(0)

Twitter詰将棋選手権③



ikiron 作

48龍、 55玉、46龍、同玉、48龍、迄5手。

47合は25龍、迄。

評価数 19 誤無解・無評価 1
評点 2.74 [0 0 2 12 3 2]
順位 11


自作。
課題のa(初手と最終手が同一)とc(還元玉)は同時に満たしやすそうだったので、最短の5手での表現を目指しました。
のですが、①はb(打った駒を後で捨てる)も満たしているのに対して、私は早々にそれを諦めてしまったことを今さらながら反省しています。
まあでも、はじめに浮かんだ手順設定が14金、同玉、15歩、13玉、14金(図略)であることを考えると数段詰将棋らしくなっていると思います。そもそもそんな酷い手順を思い浮かべるなよと言われそうですが(笑)

手順は初手がやや指しにくかったようですが、要は57や45へ逃がすと捕まらないということ。3手目も45や66に逃がさない王手は46龍しかありません。
そうして同玉となった局面は、初形から38龍が消えた図。つまり初形で38龍は邪魔駒だったというわけ。
今度の48龍には両王手のため55に逃げられずこれで幕となります。
課題を満たす以外に、ちょっとは詰将棋らしさを感じられる手順になっていれば幸い。


有吉弘敏:
課題に沿った素材の選定ですね。

千年回廊:
この形でまとめたのが良い。

三輪勝昭:
②と同じ龍の重複形。これは僕は苦手。だから解くのに何分掛かったかは秘密である(笑)。初手が指し難くかった。


あら、思わぬところで似ていましたか。
ところで何分かかったのでしょう?(笑)

くろかず:
地味に初手見えづらかった。

VAN:
ちょっとぼんやりとした初手が味が良い。


一応、初手のとぼけた味は取り柄だと思っています。

ゆーてん:
いきなり空き王手の筋しか見えなかったので盲点でした。

たちおか:
繰り返しの美を短手数で表現。

ぬ:
邪魔駒消去のシンプルな表現。

黄楊の輝き:
3八龍がなければ1手詰。

hiro:
3八龍が邪魔駒だった、という訳ですね。

彼方:
38龍が邪魔駒とは。2度の48龍がある種趣向的であり、紛れもあって良い。

河童生:
28竜が邪魔駒とは! 47合駒は25竜の3手詰、成る程。


38龍の書き損じだと思いますが、一応原文のまま掲載。
47合駒の変化のような細かい主張部分までよく見て下さっていて、作家としては大変ありがたい解答者さんです。

divD:
龍を押し退ける感覚。

桃燈:
手なりという印象。

tsumegaeru:
面白い邪魔駒消去。

そてつ:
あまり見ない感じの邪魔駒消去。


と未視感を褒めていただいたのですが、

名無し名人:
悪くないが、初手をソッポで行った長谷川哲久作と比べると見劣りしてしまう。千年回廊さんと予想。


というわけで、次のような作品(長谷川哲久、詰将棋パラダイス1986.5)が過去にありました。



この作品は『80年代ショート詰将棋ベスト200』にも採録されている秀作。自作とは比べるべくもありません。
実は発表前に本作の存在を某氏より指摘されていたのですが、期日までに別の作品を用意できず、そのまま提出してしまったのでした。全く同じではないということで勘弁して下さい。

あ、ちなみに作者予想は外れ!私の作品でした。
なお作者予想については最後に纏めて記事にしようかと考えています。


鈴川優希:
消し方がいい。49龍のバージョンも見たいな。


49龍バージョンを上に載せておきましたので、とっくり堪能して下さい!(笑)

オオサキ:
初手49龍には47角成か、せめて限定合で逃れてほしい。


なんてマニアック。でもそういう細かいところに拘って作るのが作家ですよね。
甘い作りだったかもしれません。


昨年よりは順位が上がったので、この調子でいずれは優勝したいですね!(何年先になるやら……。)





[ 2015/11/12 15:00 ] Twitter詰将棋選手権 | TB(0) | CM(2)

Twitter詰将棋選手権②



てつ 作

24龍、同馬、35龍、 23馬、24龍、迄5手。

15玉は24歩、迄駒余り

評価数 20 誤無解・無評価 0
評点 2.65 [0 1 3 6 8 2]
順位 12


初手15に逃がさないように24龍と捨てるのは第一感ですが、味のいい手。
さらに同馬に34龍と引く手が味よく見えます。
ところが34龍には15玉~26玉と抜けられ、実はさっぱり詰みません。

そこで、35龍とさらに一歩引くのが妙手。26に利かせつつ、15玉には24歩の開き王手を用意しています。
対して23馬と移動合をするのは、駒を余らせないための苦肉の策ですが、入れ替わりで24龍と入るのはちょっと不思議な感触ですね。

課題は一つしか満たしていませんが、代わりに詰将棋的な味が充実した作品に感じました。
また課題の満たし方も24龍に始まり24龍で終わる中に24馬が挟まっているのが少しテーマチックで、濃い満たし方と言えそうです。好作。


たちおか:
間接的に利かす龍と移動合が素敵。完成度が高い作品。


本作の良さを端的に表してくれています。

河童生:
開き王手に馬の移動合。手数は短いが見せ場はシッカリです。

桃燈:
35龍はなかなかの感触。

ゆーてん:
この感触むちゃくちゃかっこいいんですけど、なにこれ。

くろかず:
5手で移動合かつ課題クリアは凄い。

千年回廊:
馬の移動合がポイント

divD:
取られない移動合。

VAN:
移動合の味が良い。


移動合に短評が集まりました。

有吉弘敏:
4手目15玉の割り切り方が面白いですね。


変化ですね。
開き王手の詰上りはちょっととぼけた味があり、私も面白いと思います。

黄楊の輝き:
これ好みです。

彼方:
最終手が好感触。


最終手に味を加えられたなら、この課題を満たす上で成功と言えそうです。

三輪勝昭:
35馬の取らずの手筋。アレっよく見たら初手では取れない(笑)。46馬にしちゃうと味が落ちる。


前半は35馬を46馬に修正する前の図に対する評。
私も35馬の図が優ると見ますが、

ぬ:
玉の逃げ道が明確なので、紛れが少なくなっている気がします。


というわけで、少しでも紛れを増やしたかったのかも。
持論では詰将棋は易しくてもいいと思っているんですが、難しい方が好きという人も多そうです。

名無し名人:
12と・22歩は玉方13歩1枚でまとめたい。


なるほど<12と/22歩→/13歩>でも余詰はありませんね。
鋭敏な作図感覚を持つ氏らしい指摘。

オオサキ:
初手が打ち捨てならなあ。


段々指摘がマニアックに(笑)
24○捨て、同馬で馬を質駒にしておいて35龍、23馬ということですね。
でも、それじゃ初手と最終手が同一になりません><

そてつ:
舞台が大きい割に既視感が強い。

hiro:
全着手が大駒ですね。
詰パラ2014年5月号の鈴川氏作を連想しました。

鈴川優希:
自作(http://makugaeru.blog46.fc2.com/blog-entry-804.html)を思い出したけどこちらのほうが良い出来?


最後の三方は前例についてのコメント。
実は私も鈴川作を連想しましたが、各手の意味づけや味の違いで類作とまでは言えない?
なお私は鈴川作も好きですが、この最終手余詰はまずいと思うので修正を期待したいです。


前作もそうでしたが、本作もはじめて見る作者の作品。
やはり指将棋メインの方なのでしょうか。是非詰将棋もやってほしい!(笑)

[ 2015/11/11 17:00 ] Twitter詰将棋選手権 | TB(0) | CM(8)

Twitter詰将棋選手権①



しょぼ 作

25銀打、15玉、16銀、同玉、25銀引、迄5手。

評価数 20 誤無解・無評価 0
評点 2.60 [0 0 3 7 9 1]
順位 14


トップバッターは5手で3つの課題(a:初手と最終手が同一 b:打った駒を後で捨てる c:還元玉)を全て満たそうとした意欲作。
初手と最終手にちょっと邪魔な記号がついていますが、このアイデアと実現方法には作家として感心させられました。

また手順も邪魔駒消去を中心にすっきりと纏まっており、形も35馬が抜群の働きをしていて好形です。
手数で評価上損をした感じですが、自分なら4点くらいあげたいなと思う好作でした。
個人的な評価では上位です!


しょぼ(作者):
最短手数で条件3つとも満たしてみました。え?初手と最終手が違う?細けぇこたぁいぃんだよ!

三輪勝昭:
3課題クリア最短手数か。単純だが催し物にはこう言うのも必要。

オオサキ:
作者的には「a) 初手と最終手が同一」も満たしているつもりなのでは。

ぬ:
初手と最終手が同一の主張はしてもいいと思います。

有吉弘敏:
aも満たしていると思います。

divD:
打と引が無ければ完璧だった。

そてつ:
シンプルな狙いだが打と引の差異が惜しい。

名無し名人:
初手は「打」、最終手は「引」だから、初手と最終手が同一とはいえないのである(笑)

千年回廊:
5手詰で2つの課題クリア7手詰にすれば3つクリアできるのですね


aの課題(初手と最終手が同一)をどの程度満たしているかは意見が分かれました。
理想的な満たし方とは言えないので難しいところですが、何にせよ、

tsumegaeru:
簡潔な仕組みでのテーマの実現が素晴らしい。


と思います。

くろかず:
課題の答えを見たのかと思いました。


こう作るのだ、という模範解答のような作品ですよね。
私、こういうの大好きです。

ゆーてん:
シンプルな手順で課題をクリアしていて驚きです。さわやか!

VAN:
邪魔駒削除。テーマがわかりやすい。

桃燈:
軽い手触り。

たちおか:
素直で簡潔な原形消去。

黄楊の輝き:
初級向けにいいかも。

河童生:
可愛い、可愛い小品。園児には最適。

hiro:
15歩の消去という狙いが、よく伝わってきます。

彼方:
シンプルな邪魔駒消去。

鈴川優希:
小品だけど巧い。25銀成の余地を残せないのは残念。


これはちょっとマニアックな評。
できれば25銀成の選択肢を残したいところですが、一路上げると24銀打、14玉に23銀生と捨てる手が成立してしまうのですね。


この作者の詰将棋を見たのは今回がはじめてですが、センスが抜群にいいと感じました。
普段は指将棋をメインにされている方なのかな?
また作品を見てみたいところです。
[ 2015/11/10 12:00 ] Twitter詰将棋選手権 | TB(0) | CM(2)
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