23銀、同玉、A 26飛、イ 同角生、14角、13玉、32角生、15角、14歩、22玉、23歩、33玉、43角成、同銀、22飛成、迄15手詰A 14角、13玉、
32角成、
15角生、以下逃れ
A 14角、13玉、
32角生、
15角成、14歩、同馬、同角成、同玉、15歩、25玉、以下逃れ
イ 同角成は14角、13玉、
32角成、15馬、14歩、同馬、22馬、迄
誤4 無4 A25 B8 C0 平均2.76
創棋会の課題「同種駒の成・不成」に応えたもの。
この課題に対してふと考えたのが角成には角生、角生には角成という手順(紛れ
Bの手順)だった。
ところがこれ、片方を詰むようにして纏めると対比がとてもアンバランスになって美しくない。
そこで上記の2つの手順をどちらも紛れとして設定し、この紛れを避ける鍵として打診手を導入して纏めることにしたのが本作である。
そういうわけでテーマは端的に言って「
成生の対比」、手順で言えば「
成には生、生には成とされて逃れ。そこで26飛として玉方に先に成生を選択させ、成には成、生には生を後から選択する」ところ。
通常「打診」という構想において成生が関わるのは玉方の選択だけであるが、本作では攻方の選択も成生によっているところに注目してほしい。
結構苦労しそうなテーマかとも思ったが、よい構図が見つかり配置や収束などすっきりと纏まったので、作者的には不満のない仕上がり。これであともう少し気の利いた序が入っていたら会心の出来だった。
ところがどこで勘違いしたやら、創棋会の課題は「同種駒の成・生」ではなく、「同種駒の成・生
を含む」だった。
小さな違いに見えて、これが全然違う。本作のテーマは間違いなく角の成生だが、作意に成はオマケ程度のもの(43角成)しか現れないし、ましてこれはテーマを彩る成(32角成)とは別のものだ。
出題稿で気づいたので手遅れだったのだが、この課題なのであれば創棋会での発表は見送って詰棋校にまわしたほうが作品のためだった気がする。かなり後悔。
結果稿を見る限りこのテーマは解答者にあまり伝わらなかった。
課題とのミスマッチが原因だったとしたら、作品に対して申し訳ないことをしてしまった。
永○勝利「課題の内容から、成生が反転する方が格好良いが、そうもいかないか?」
まさしくその通りで、この課題に応えるのであれば作意手順上で反転させるべきところだろう。そりゃあ伝わらないか……。
「同種駒(角)の成・生」がテーマの作品として、改めて鑑賞していただけたら作者としては嬉しい。