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くぼの詰将棋

ぼく(くぼ)の詰将棋ブログです

握り詰大会 on Twitter ⑨



彼方 作

34馬、同玉、44成銀、25玉、27香、イ 26香、同香、14玉、15香、同玉、45飛、ロ 35金、25金、同金、同飛、14玉、15飛、同玉、25金、迄19手詰

26桂合は同飛で無効(35玉に47桂が生じるため)
14玉は15飛、同玉、25金、迄。また35飛は25金、同飛、同飛、14玉、15飛打、迄

正12 誤 0 無 0
評点 4.08 ( 5*4 / 4*6 / 3*1 / 2*1 / 1*0 )
順位 1位


作意を並べてみると、これはまさしくザ・詰将棋。
握り詰はどうしても成り行き任せなところが生まれてしまうものですが、本作は一貫して好手順が続きます。
特に香捨合~金中合のあたりは見どころがあります。
手順の良さが買われて見事首位となりました!

唯一気になるのは詰上がりで遊んでいる53角。
26香合を発生させてからは必要のない角なので、捨合を諦めて別の逆算をする手もあったと思います。
その方が良くなるかどうかはやってみないとわかりませんけど……。

本作を見て思ったのは、偶然を感じさせない仕上がりになっているなということ。
①もそうでしたが、作者の狙った方向に作るべくして作られています。
作者の技術が伺える好作でした。


咲花
これは創りなれてるな、明らかに 角残るの残念だけど手順は合格

占魚亭
作意では働かない角と成銀が4手目24玉の変化で活躍。
4手目同金の順を作意にできれば……という感じでしょうか。

☆4手目同金は同角成、24玉に25金や26飛など色々な詰みがあり、どの手順を指しているのかわからず。よければコメントか何かで教えて下さい。

たちおか
捨合2回に飛車を捨てて綺麗に詰め上がる。

VAN
53角が残るのが残念だが好手順。

☆私も同じ感想。

桃燈
金の中合はお見事。
序も長すぎず、中合を巡る攻防を中心に、簡潔にまとまっている。

河童 B
2度の捨て合に妙味。54と金を成銀に取り替えて、握り詰、完成。

divD
変化が長いので金中合に気付いた。角が残るのが残念。

黄楊の輝き
握り詰とは思えない華麗な手順。今回で一番好みです。
Kajishitaさんかな。

☆今回の握り詰大会、作者当てはかなり難しかった様子。

そてつ
手順は中合二回に初手の馬捨ても入り、紛れもある。53の角が残るのがつらい?



やはり中捨合を含む好手順と53角配置への言及が多いですね。
折角なので最後に一つ、解説者として別の角度からコメントを。

本作で最も目立つ手は35金中合なのですが、金中合を含んで以下の手順は既成手順と言えます。
ですからできればここではないところに主眼手を置いて欲しかったというのが本音。
贅沢な話かも知れませんが、作者の力ならできるはず!
[ 2014/11/29 17:00 ] 握り詰大会 | TB(0) | CM(2)

握り詰大会 on Twitter ⑧



VAN 作

31香成、同玉、41と、同玉、96角、85歩、同角、同銀、A 32銀、同玉、B 72飛生、 42銀、33歩、同玉、34金、32玉、54馬、 41玉、42飛成、同玉、43金、51玉、52銀、62玉、63銀成、61玉、52金、71玉、72成銀、迄29手詰

A 42歩は同玉、72飛成、52桂、32金、同玉、52龍、42桂、43銀、33玉、42龍、24玉、22龍、15玉、以下逃れ
B 72飛成は62歩!、同龍、42角!、(22金、33玉、)23金、43玉で打歩詰(42角合は33歩~53龍の防ぎ)
42角合は22金、同玉、42飛成、13玉、12龍、24玉、23龍、15玉、16歩、同玉、34馬、17玉、39角、18玉、28龍、迄。また、62歩合は同飛生で無効(72飛生の効果)
31玉は42飛成、同玉、以下同様(非限定)

正12 誤 0 無 0
評点 4.00 ( 5*4 / 4*4 / 3*4 / 2*0 / 1*0 )
順位 3位


初手駒取りは無骨な感じですが、序は眠っている79飛を働かせる自然な順。
しかし85歩合、同角、同銀まで進めて手が止まります。
私の第一感は42歩と叩く手でしたが……。

32銀!が逆モーション気味の妙手。
飛車のラインから玉を遠ざけるだけに指しにくいところです。
しかしこれはまだ前座。もっと凄い手が次に来ます。

作者
11手目が狙いの一手。成ると詰まない。


72飛生が狙いの一手。
しかし作意を一見しただけでは不成とする意味がわかりません。成るとどうなるのでしょうか。
72飛成には62歩~42角とするのが妙防で、紛れBのように打歩詰に逃れます。
つまり72飛生はこの変化の62歩合に対して62同飛とするためだったわけですね。
作意を詰ます上では不成の効果が全く現れないのが素晴らしく、実に奥ゆかしい一手になっています。

本作は72飛生という明確な狙いの一手があり、握り詰には珍しい意欲的な作品。
個人的にこういう狙い重視の作り方は好きです。
序と収束にはちょっと皺寄せがきていますが、駒種制限の中では仕方がなかったのでしょう。
でも駒種制限を外せばどういう纏め方になったのかは興味があるところです。よければそんなバージョンも見てみたいですね。


咲花
3手目~11手目がこの形で入るのか…初手はアレだけど、62歩合にはビビった 優勝候補

☆惜しくも1点差で優勝には届きませんでしたが、非常に印象的な作品でした。

占魚亭
79飛を使うには序はこの流れしかないが、そのあと数手が考え所。45馬の活かし方もポイント。

たちおか
玉が広くて捕まえるのが大変ですね。序はさらに広くするようで難解。

桃燈
角を開いて飛車先を通してからの不成の構図はダイナミック。
どういう理屈になっているのか私の実力では皆目検討が付かない、凄いです。
一方で収束はやや平凡に流れた感じが否めない。
初手駒取りは絶対悪とは考えてはいないが、握り詰での交換型初手駒取りは駒種制限に対して露骨に感じる。

河童 B
11手目、72飛成は62歩の中合あり、成る程。
72飛生までの一連の悪?力に草臥れる。

彼方
32銀~72飛生には驚いた。また、12手目の変化も面白い。もう少しうまい序をつけられれば…。

☆やはり序はちょっと残念な感じですね。

divD
変化調べるだけで大変。変化に備えた飛不成が良い。

黄楊の輝き
柿木使用。9手目ビックリ。合駒も難解。

☆柿木を使うとまさかのところでいきなり飛生が出てきて余計にビックリするかも?

そてつ
合駒を入れて飛不成が秀逸。



作者のVANさんはブログやTwitterで精力的に作品を発表されている方。
短期間で作っているとは思えないほど作品の質は高いです。
なぜか本誌には全然投稿されていないようなのですが、そういう楽しみ方もありですよね。
でも本音としては腰を据えて作った作品も見てみたかったりします(笑)

[ 2014/11/23 01:00 ] 握り詰大会 | TB(0) | CM(0)

握り詰大会 on Twitter ⑦



ikz26 作

13飛成、12飛、21歩成、同玉、12龍、同玉、13飛、21玉、23飛成、31玉、41香成、同玉、43龍、51玉、61香成、同玉、72と、同玉、82角成、61玉、83馬、72歩、同馬、同玉、83金、61玉、62歩、イ 51玉、52歩、62玉、73金、71玉、A 41龍、61合、82銀、迄35手詰

A 82銀成、61玉、72成銀でも詰み(余詰)
62同玉は73金、61玉、41龍、51合、62歩、71玉、51龍、迄駒余り

正12 誤 0 無 0
評点 3.08 ( 5*3 / 4*1 / 3*3 / 2*4 / 1*1 )
順位 8位


拙作。
序の追い手順から作り始めたのですが、早々に駒が不足気味となり左辺で無理矢理纏めました。
その皺寄せがAの余詰……。

初形市松についてはある程度狙いながら正算していましたが、ピッタリ左右対称になったのはちょっと幸運でした。
でもそれにかまけて余詰を甘受したのはやはり良くなかったですね。別の作品を考えるべきだったかもしれません。


咲花
形も手順も趣向的 嫌いじゃないよ、こういうの

☆ありがとう。

占魚亭
収束の余詰めは仕方ないですか。

☆甘えました、すいません。

たちおか
飾っておきたい初形と、途中まで趣向的な手順。収束はご愛敬。

VAN
握り詰でこの初形ができるとは。

☆握り詰で盤面象形はちょっと珍しいかもしれません。龍2枚とかの簡素形は結構ありますけど。

桃燈
握り詰で初形曲詰を達成したのはお見事。
送り手順も綺麗にまとまっている。
最終3手は手順前後型の余詰か。
余詰に厳しい現代の詰将棋感からすると、大幅な減点項目とせざるを得ない。

☆仰るとおりです。ごめんなさい。

河童 B
初形の対称形も良いが、手順もなかなかなもの。
収束に一捻りあり、です。

☆ありがとうございます。

彼方
こういうのは割と好きだけど…。収束にキズが多いのは仕方ない所か。

divD
煙詰っぽい手順。初形はいいが収束余詰。

黄楊の輝き
初形曲詰に不動駒なしの好作。最終3手余詰さえなければ…。

☆最終3手余詰さえなければある程度自信を持って提出できたんですけどね……。

そてつ
見事な市松初型。収束と手順については握り詰なので仕方なしか。



余詰はやっぱり気になりますね。
それでも皆さま好意的な評を寄せて下さりありがとうございます!
[ 2014/11/20 22:21 ] 握り詰大会 | TB(0) | CM(0)

握り詰大会 on Twitter ⑥



たちおか 作

A 48金、39玉、49金、同玉、48と、39玉、49と、同玉、58馬、39玉、48銀、29玉、「47馬、19玉、46馬、29玉、56馬、19玉、55馬、29玉、65馬、19玉、64馬、29玉、74馬、19玉、73馬、29玉、83馬、19玉、82馬、 29玉、92馬、19玉、82馬、29玉、83馬、19玉、73馬、29玉、74馬、19玉、64馬、29玉、65馬、19玉、55馬、29玉、56馬、19玉、46馬、29玉、47馬、19玉、37馬、29玉、38馬、」同玉、37龍、49玉、39龍、58玉、59龍、67玉、68香、 78玉、79龍、87玉、77龍、98玉、99歩、89玉、79龍、迄73手詰

A 48とは59玉以下逃れ
37桂合は復元型無駄合(同馬以下、再度馬鋸で遠ざかって持駒に桂が1枚増えて同一局面に復元する)
76玉は79龍以下作意同様に詰む(変化同手数)

正12 誤 0 無 0
評点 3.92 ( 5*4 / 4*3 / 3*5 / 2*0 / 1*0 )
順位 5位


作者
無双30番の馬鋸です。この趣向は飛角銀と置き駒があれば効率よく手数を稼げるので握り詰に向いていると思いました。途中68香を省略し57龍とすると69に逃げてループします。小駒成駒は握り詰なので許してください。僕には短編のイメージしかないと思うので、さすがにこの作者は当たらないでしょう。


ご存知の方も多いと思いますが、無双30番と同型の馬鋸です。
握り詰で馬鋸というのは割と定番ですが、しかし実際に作るとなると簡単ではありません。
駒種からこの型の馬鋸を想起し、実際に組み立てた作者の腕は確かなもの。

序や収束も無理矢理つけた感じではなく、自然に纏まっています。
98成香や85成銀は握り詰であることを感じさせる配置ですが、これくらいは構わないでしょう。
ただ、変化に示したような復元型無駄合は気になるところ。
握り詰なので仕方なく、という事情だとは思いますが、一応言及しておきます。

作者当ては確かに当てている人がいませんでした。
一部私(解説子)の作品ではないかという声もありましたが、私は長編が苦手です!


咲花
よくある馬ノコだけど、創作技術は感じる

☆同意見。

占魚亭
いい意味で力が抜けているという印象。

☆これも同意見。

VAN
まさかの馬鋸。

桃燈
馬鋸を織り込む作者がいたことに驚いた。
なんとなく無双30番を思い起こす手順だと思う。

☆ご名答ご明察。無双30番を意識して作られたようです。

河童 B
馬鋸の出現にビックリ。その後の収束もお上手。
ただ3枚の成駒が不自然、握り詰では仕方なしかな。。

☆握り詰ということで目を瞑って下さい。

彼方
シンプルな馬鋸、序も収束も趣向手順っぽくなっている。途中、馬の王手に桂合は復元型無駄合?

☆はい、復元型無駄合です。ちょっと気になるところですね。

divD
歩を取りに行けばいいことに気付くまで無限運動を楽しみました。

☆これは作者にとっては嬉しい解答者さん。

黄楊の輝き
今回の最長手数。序の邪魔駒消去、馬ノコから龍追いと上手いですね。
イキロンさんかな。

☆残念ながら私ではありません。間違えてもらえたのはむしろ嬉しいですけど(笑)

そてつ
一目で馬鋸。18の成香が残るのは残念な気がする。唯一の長編に敬意を示したい。



咲花君が今最も注目しているらしい作家。
最近は本誌でも名前を見ることが増えてきたように思います。(個人的には初入選の作品が好き。)
今後も益々活躍してくれそうで、目が離せません!
[ 2014/11/20 21:45 ] 握り詰大会 | TB(0) | CM(0)

握り詰大会 on Twitter ⑤



桃燈 作

A 64飛、 62金、72金、同玉、83銀、61玉、71角成、同玉、72銀、同金、同銀成、同玉、73歩、同玉、74金、82玉、83香、71玉、72歩、同玉、63飛成、71玉、82香成、同玉、83金、91玉、92歩、81玉、72龍、迄29手詰

A 63飛は62銀合、71角成、同玉、82銀、61玉、72銀、51玉以下逃れ
62歩合は72金、52玉、62金、42玉、31銀、33玉、35香、23玉、14銀、12玉、22銀成、同玉、24飛、以下

正12 誤 0 無 0
評点 4.08 ( 5*4 / 4*5 / 3*3 / 2*0 / 1*0 )
順位 1位


持駒の多さにはたじろぎますが、綺麗な初形。
手順の方も金の限定合にはじまり、71角成の捨駒、83香の短打などを含んで飽きさせません。
さらに握り詰の指定駒種に対してピッタリ出来ているのも好印象。
見事1位(⑨と同点優勝)に輝きました。いやあ、この完成度には素直に「負けました」と言う他ありません。

この作者、一昔前は色々と弄りたくなる作品が多かったのですが、最近はむしろ本作のような完成度が高いものが多くなっています。
今回は実力者を抑えての優勝ですし、今後が楽しみな作家の一人。
近いうち本誌でも大きい花火を打ち上げてくれるかもしれませんね。


咲花
完成度たけぇなオイ 味のいい手もちらほら出てくるし、悪くない

☆あの辛口な咲花君がこの感想。作者は自信を持っていいです。

占魚亭
手を出してみると案外易しいものの、持駒が多くて解図欲を減退させる作品は個人的には一寸……。

☆持駒の多さだけは本作のネック。解く上では勿論ですが、見た目にちょっと嫌らしい印象を与えてしまいます。でも握り詰だから仕方ない面が大きいかも。

たちおか
握り詰でこんなにぴったり駒を使えるとは、よくこの形を発見したもの。

☆このピッタリさが握り詰では何よりの美点ですね。

VAN
簡素形から収束まで完成された手順に見える。

☆非の打ち所がありません。

河童 B
持駒の多さで敵玉をねじ伏せる。作者の力量を感じる作品です。

☆強豪解答者もこの感想。

彼方
紛れも変化も強烈だった。簡素形にしては収束もまとまっている。

divD
とりあえず63飛としてみるも銀合で届かない。もう一つ離して打てばいいことに気付くまでかなりの時間を要した。

黄楊の輝き
柿木使用。難解ですね。評価のつけ方も難解でした。
そてつさんかな。

☆確かに手順だけ見ると、余りとらえどころがないように映るかもしれません。
作者当ては残念不正解。

そてつ
握り詰ながら手順、構図共に良。


☆という結論に大体落ち着くでしょう。


ところで個人的に興味があるのは、技術を身につけた作者が次にどういう作品を作ろうとするのか、ということ。
早い話が、(それなりに話してきたのにも関わらず)どういう作品が好みかまだ知らないんですよね。
というわけでここで質問しておきます。どういう作品が好みなんでしょうか?
[ 2014/11/19 05:39 ] 握り詰大会 | TB(0) | CM(3)

握り詰大会 on Twitter ④



そてつ 作

35馬、37玉、28銀、48玉、39銀、同玉、57馬右、イ 48歩、38金、29玉、48金、18玉、19歩、同玉、28銀、同玉、46馬寄、17玉、18歩、同玉、19歩、29玉、A 47馬寄、同龍、同馬、19玉、B 29飛、18玉、19香、迄29手詰

A 56馬上、同龍、同馬、でも詰む(非限定)
B 39飛~99飛、28玉、37馬、17玉、18香、同玉、19飛でも詰む(余詰)
48香合は38金、29玉、48金、18玉のとき、29銀、17玉、35馬、26合、18香、27玉、28香、迄早い

正12 誤 0 無 0
評点 3.00 ( 5*2 / 4*1 / 3*5 / 2*3 / 1*1 )
順位 9位


可愛いらしい初形をしてはいますが、実はとんでもない難物。
なんせ柿木将棋が解答に57秒も要するのですから。(環境:Core i5-3470、メモリ16G)
普通の短中編なら1秒2秒が当たり前の柿木将棋ですから、これはとんでもない数字です。
指将棋も相当の腕前らしい作者ならではの作品と言えるでしょう。

しかし変化紛れをすっ飛ばして作意を追ってみれば意外に素直です。
28銀や48歩合など随所に詰将棋らしい手を散りばめてあり、退屈しない手順になっています。
ただし収束がだれてしまったのは気になったようで、特にBの余詰は最終3手とはいえ味が悪かったようです。
握り詰だからこれくらいは大丈夫と悪魔の囁きをしてしまってごめんね。

綺麗で無理のない初形から自然な手順と、力が感じられる作品。
後は手の統一感やテーマなどを意識して、纏まりが生まれるように工夫してみるともっと良くなると思います。
収束を纏めるのは、妥協しなければ根性で何とでもなりますので(笑)


咲花
クソムズ、それだけ

占魚亭
10手目49玉の変化の詰み形と作意の詰み形が対応。

☆上で言及していませんが、58馬~57飛~48金で詰みます。ちょっと似た詰み形?

たちおか
成駒ばかりで超難解。難しさではピカイチでしょう。変化の海が深すぎておぼれてしまいました。

VAN
駒取りの連続で難解。

桃燈
歩を叩きながら、馬がにじり寄る手順は趣向的で面白い。
最終3手で飛車を離すと余詰か。
余詰に厳しい現代の詰将棋感からすると、大幅な減点項目とせざるを得ない。

☆これは面白い着眼点。確かに46馬寄~47馬寄のあたりはちょっと趣向的な手順です。この部分を取り出して弄ってみても面白いかもしれませんね。

河童 B
無理のない初形に感心。2枚の馬の威力に酔いました。

☆この握り詰らしからぬ初形は素晴らしいです。

彼方
個人的には最も難解な作品だった。しかし狙いがよくわからない…。

divD
変化複雑でかなり難しいが手順は面白くない上に収束余詰。

黄楊の輝き
柿木使用。非常に難解でした。最終3手余詰あり。



最終近くの乱れが評価を下げてしまったようです。重ね重ね申し訳ありません。
しかしこれは握り詰という制約のため。作者には是非普通作でリベンジしてほしいです。
本誌でも名前が見られることを期待しています。
[ 2014/11/19 02:36 ] 握り詰大会 | TB(0) | CM(0)

握り詰大会 on Twitter ③



千年回廊 作

12角成、同香、22角、14玉、23銀生、15玉、33角成、同飛、26銀、24玉、25銀、23玉、24銀、32玉、33銀成、同玉、23飛、 32玉、31金、同玉、21飛成、迄

34玉は44金、35玉、26飛成、迄(変化同手数)

正12 誤 0 無 0
評点 2.08 ( 5*1 / 4*0 / 3*2 / 2*5 / 1*4 )
順位 10位


初手の駒取りは味が悪いですが、以降の追い手順が趣向的。
まずは22角~23銀~33角と下から追います。
同飛に折り返して、26銀~25銀~24銀と今度は上から。リズムがあります。

以下は金捨てが入って無難な収束。
の変同は問題にならないでしょう。きっちりと纏まっています。

全体的に流れるような捌きの手順で、手数は長めですが解きやすかったのではないでしょうか。
力を抜いて巧く作っているように感じました。
三度の駒取りはちょっと多めにも感じますが、初手さえなければ印象が全然違ったはず。
握り詰なので初手を挿入したのだと思いますが、このあたりは妥協と取られても仕方のないところですね。
作者には次への課題としてもらいたいです。


咲花
駒取り多いよ…

占魚亭
香の利きを背景に。

たちおか
銀の前進が強く印象に残る作。やや駒取りが多いか。

☆やはり駒取りは気になりますね。

VAN
手数は長いけど、意外と易しい。

桃燈
飛車をうまく誘導しながら香車の利きを活かしている。全体としては裁けている。
ただ、冗長感あり。
初手駒取りは絶対悪とは考えていないが、握り詰での交換型初手駒取りは駒種制限に対して露骨に感じる。

河童 B
収束の31金打までの一連の手順は楽しめる。まずまず、好作。

彼方
やや一本道だが比較的さばけるので解後感はいい。

☆駒が消えていくのは気持ちいいですね。

divD
初手駒取りの上に変同。

黄楊の輝き
3~5手目が面白いと思いました。18手目変同。

そてつ
駒が捌ける。変同は多数…?


☆変化と、14手目22玉の変化のことでしょうか。
私は余り気にならなかったのですが、変同に言及した短評は少なくありませんでした。


本作はいい感じに力が抜けていると感じました。
でもまだまだ若い作者には、普通作の方で欲張った作品も見せてほしいところです。
今後の躍進にも期待。

[ 2014/11/18 20:45 ] 握り詰大会 | TB(0) | CM(0)

握り詰大会 on Twitter ②



ぐららる 作

A 33金、同香、31銀、32玉、21角、同玉、22飛、迄7手詰

A 33銀は同香、31角、32玉、以下逃れ
A 32飛は同角成で逃れ

正12 誤 0 無 0
評点 1.83 ( 5*1 / 4*0 / 3*1 / 2*4 / 1*6 )
順位 11位


指将棋には「金はとどめに残せ」という格言がありますが、詰将棋においてもそれは同じ。
やはり金は最後まで置いておくことがほとんどです。

しかし一方で、常識の裏を行くのが詰将棋の面白さでもあります。
本作では初手から33銀ではなく、33金!と捨てるのが妙手。
これは金先金銀と呼ばれたりする高級手筋で、不利感を伴うとされています。

以下が短く見えやすいだけに不利感はそれ程ではなかったようですが、握り詰でこの高度なテーマを実現したのは素晴らしい。
収束が短いのも、テーマが終わった後の片付けが簡潔であると捉えればむしろプラスです。
後は表現の問題で、解者にどう伝わるかを意識して作図できればグッと良くなるように感じました。
あるいはテーマをもう一捻り工夫してみるのもアイデア次第で面白くなると思います。

尚、34歩は飾り駒。これはちょっと残念ですね。
87角→65角、34歩→44歩にすると歩は必要駒にできますが、少し無理矢理気味。
握り詰の悲しい性ですね。


咲花
初手の不利感だけじゃあ辛いな

☆もう一歩踏み込んでほしい、というところでしょうか。

占魚亭
自分だったら角は98に置くかな。

☆これは好みですか。私は歩を必要駒にする意味を込めて65角+44歩(34歩に代えて)派です。握り詰でなければ34歩省いて54馬派。

たちおか
真っ先に金を手放すのがやや珍しい。とはいえ後は基本手筋。

VAN
87の角がよく利いている。

桃燈
まとまってはいるものの、既視感がある。

河童 B
苦労して創りましたね。参加賞をどうぞ、です。

彼方
87角の配置がちょっと…。あと34歩は不要?

divD
何となく金打ったら詰んじゃった。

黄楊の輝き
最初に金を捨てるのがいいですね。3四歩は花駒?

そてつ
握り詰にしては珍しく?超短編。なんだか好み(笑)



金を先に捨てる手に着目する短評も少なくありませんでした。
そこに気付いてもらえればひとまずは成功でしょう。
後はその印象をさらに強める工夫があれば、もう一つステップアップできると思います。
[ 2014/11/18 04:11 ] 握り詰大会 | TB(0) | CM(0)

握り詰大会 on Twitter ①



咲花 作

A 24歩、同銀、33銀成、 同銀、12角、同玉、34馬、同銀、22金、迄9手詰

A 33銀成や12角は14玉で25歩が邪魔になる
同香は34角、同香、41馬、以下

正12 誤 0 無 0
評点 4.00 ( 5*3 / 4*7 / 3*1 / 2*1 / 1*0 )
順位 3位


12角、同玉、34馬と行くのが筋なのですが、生憎25歩が邪魔で12角を取ってくれません。(紛れA
そこで25の歩をどうやって消すかというのが本作のポイントです。

24歩、同銀と取れる銀をわざわざ逃がしてからの33銀成!が抜群に味の良い好手。
意味づけは単純ですが、演出がにくいですね。
33同銀で玉方の銀がスイッチバックすることになるのも嬉しいところ。

以下は予定通り、大駒を捨て切って美しい着地です。
41龍だけは少し気になる配置ですが、全体的に作者の実力と余裕を感じさせる好作。見事3位となりました。
握り詰は苦手だ嫌いだなどと言いながら、きっちり作ってくるのは流石です。


占魚亭
受方銀の翻弄がいいですね。

たちおか
銀のスイッチバックで始まり、馬が消えての収束。握り詰でこの完成度は凄い。

☆巧く作るものだと感心しきりです。

VAN
邪魔駒削除を軸に収束まで綺麗に纏まっている。

桃燈
銀のスイッチバックがお見事。端的に綺麗にまとまっている。

河童 B
4連続の捨駒、握り詰として上々の出来映え。

彼方
25歩を消去してから銀、角、馬捨ては見事。ただ、飛車の使い方が惜しいかも。

☆41龍が唯一握り詰という制約を感じさせる配置で、唯一であるだけに惜しいところです。

divD
初手は決まっているが直後に銀を呼び戻す手が良い。その後も角連続捨てでかなり好み。

黄楊の輝き
初手から3手目の感触が凄くいいですね。好みです。

そてつ
邪魔駒消去で銀を翻弄。大駒も消えて気持ちいい。



やはり序の4手が印象的だったようで、短評もそこに集中しました。
[ 2014/11/18 02:18 ] 握り詰大会 | TB(0) | CM(0)

握り詰大会 on Twitter 結果

順位は以下の通り。
桃燈さん、彼方さん、優勝おめでとうございます!

1位 4.08点 ⑤ 桃燈 作⑨ 彼方 作
3位 4.00点 ① 咲花 作⑧ VAN 作
5位 3.92点 ⑥ たちおか 作⑩ divD 作
7位 3.58点 ⑪ 黄楊の輝き 作
8位 3.08点 ⑦ ikz26 作
9位 3.00点 ④ そてつ 作
10位 2.08点 ③ 千年回廊 作
11位 1.83点 ② ぐららる 作


以下に結果稿を纏めました。

① 咲花 作
② ぐららる 作
③ 千年回廊 作
④ そてつ 作
⑤ 桃燈 作
⑥ たちおか 作
⑦ ikz26 作
⑧ VAN 作
⑨ 彼方 作
⑩ divD 作
⑪ 黄楊の輝き 作

[ 2014/11/17 00:00 ] 握り詰大会 | TB(0) | CM(0)
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Author:くぼ
とある詰将棋作家

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