VAN 作
31香成、同玉、41と、同玉、96角、85歩、同角、同銀、A 32銀、同玉、B 72飛生、イ 42銀、33歩、同玉、34金、32玉、54馬、ロ 41玉、42飛成、同玉、43金、51玉、52銀、62玉、63銀成、61玉、52金、71玉、72成銀、迄29手詰
A 42歩は同玉、72飛成、52桂、32金、同玉、52龍、42桂、43銀、33玉、42龍、24玉、22龍、15玉、以下逃れ
B 72飛成は62歩!、同龍、42角!、(22金、33玉、)23金、43玉で打歩詰(42角合は33歩~53龍の防ぎ)
イ 42角合は22金、同玉、42飛成、13玉、12龍、24玉、23龍、15玉、16歩、同玉、34馬、17玉、39角、18玉、28龍、迄。また、62歩合は同飛生で無効(72飛生の効果)
ロ 31玉は42飛成、同玉、以下同様(非限定)
正12 誤 0 無 0
評点 4.00 ( 5*4 / 4*4 / 3*4 / 2*0 / 1*0 )
順位 3位
初手駒取りは無骨な感じですが、序は眠っている79飛を働かせる自然な順。
しかし85歩合、同角、同銀まで進めて手が止まります。
私の第一感は42歩と叩く手でしたが……。
32銀!が逆モーション気味の妙手。
飛車のラインから玉を遠ざけるだけに指しにくいところです。
しかしこれはまだ前座。もっと凄い手が次に来ます。
作者:
11手目が狙いの一手。成ると詰まない。
72飛生が狙いの一手。
しかし作意を一見しただけでは不成とする意味がわかりません。成るとどうなるのでしょうか。
72飛成には62歩~42角とするのが妙防で、紛れBのように打歩詰に逃れます。
つまり72飛生はこの変化の62歩合に対して62同飛生とするためだったわけですね。
作意を詰ます上では不成の効果が全く現れないのが素晴らしく、実に奥ゆかしい一手になっています。
本作は72飛生という明確な狙いの一手があり、握り詰には珍しい意欲的な作品。
個人的にこういう狙い重視の作り方は好きです。
序と収束にはちょっと皺寄せがきていますが、駒種制限の中では仕方がなかったのでしょう。
でも駒種制限を外せばどういう纏め方になったのかは興味があるところです。よければそんなバージョンも見てみたいですね。
咲花:
3手目~11手目がこの形で入るのか…初手はアレだけど、62歩合にはビビった 優勝候補
☆惜しくも1点差で優勝には届きませんでしたが、非常に印象的な作品でした。
占魚亭:
79飛を使うには序はこの流れしかないが、そのあと数手が考え所。45馬の活かし方もポイント。
たちおか:
玉が広くて捕まえるのが大変ですね。序はさらに広くするようで難解。
桃燈:
角を開いて飛車先を通してからの不成の構図はダイナミック。
どういう理屈になっているのか私の実力では皆目検討が付かない、凄いです。
一方で収束はやや平凡に流れた感じが否めない。
初手駒取りは絶対悪とは考えてはいないが、握り詰での交換型初手駒取りは駒種制限に対して露骨に感じる。
河童 B:
11手目、72飛成は62歩の中合あり、成る程。
72飛生までの一連の悪?力に草臥れる。
彼方:
32銀~72飛生には驚いた。また、12手目の変化も面白い。もう少しうまい序をつけられれば…。
☆やはり序はちょっと残念な感じですね。
divD:
変化調べるだけで大変。変化に備えた飛不成が良い。
黄楊の輝き:
柿木使用。9手目ビックリ。合駒も難解。
☆柿木を使うとまさかのところでいきなり飛生が出てきて余計にビックリするかも?
そてつ:
合駒を入れて飛不成が秀逸。
作者のVANさんはブログやTwitterで精力的に作品を発表されている方。
短期間で作っているとは思えないほど作品の質は高いです。
なぜか本誌には全然投稿されていないようなのですが、そういう楽しみ方もありですよね。
でも本音としては腰を据えて作った作品も見てみたかったりします(笑)