fc2ブログ

くぼの詰将棋

ぼく(くぼ)の詰将棋ブログです

とある作品の改作図の改作図2

miwa02.jpg

A 72歩成、イ 同飛、B 51香成、ロ 同玉、C 62歩成、ハ 同飛、D 41香成、ニ 同玉、E 52歩成、同飛、F 42歩成、ホ 同飛、31香成、同玉、21歩成、同玉、32歩成、同飛、11歩成、同玉、22馬、同飛、13竜、12飛、22桂成、迄25手詰


A 62歩成、同玉、72歩成、同飛、54桂、71玉、81銀成、同玉、82歩、同飛、73桂生、72玉、62桂成、同玉、82竜、63玉、62飛、74玉、以下逃れ
B 62歩成、同玉でAに合流
C 52歩成、同飛、62歩成、同玉、53桂成、71玉、81銀成、同玉、82歩、同飛、以下逃れ
D 52歩成、同飛、41香成、62玉、53桂成、71玉、81銀成、同玉、82歩、同飛、以下逃れ
E 42歩成、同飛、52歩成、同飛、31香成、同玉、21歩成、同玉、32歩成、同玉、22桂成、41玉、31成桂、以下逃れ
F 31香成、同玉、42歩成、同玉、以下逃れ

イ 同玉は73竜、61玉、51香成、同玉、52歩成、同飛、62歩成、迄
イ 同とは51香成、71玉、62歩成、同と、82竜、同玉、46馬、73合、同桂成、同と、同馬、同玉、74飛、63玉、64歩、62玉、52歩成、迄
ロ 71玉は81銀成、同玉、82歩、同飛、73桂生、72玉、62歩成、同玉、82竜、63玉、62飛、迄
ハ 同玉は52歩成、71玉、81銀成、同玉、82歩、同飛、73桂生、71玉、61と、72玉、62と、同玉、82竜、63玉、62飛、迄
ニ 61玉は73桂生、71玉、81桂成、61玉、52歩成、同飛、62歩、同玉、74桂、61玉、63竜、62合、同桂成、同飛、51成香、迄
ホ 同玉は53桂成、51玉、52成桂、同角、同香成、同玉、34角、以下


三輪勝昭(作者)「飛横移動がテーマとしたら、やはり回数が多いのが良いと思って創った図です。
これも変化は簡明なほど良いと思うのですが、これはちょっと無理。
飛を動かす理由は13飛成を邪魔する歩を捨てると言う理由で簡明なのですが、玉を横移動する捨て駒を取らすのが難しい。
1段目成捨てを取らずに逃げた変化を詰まし、2段目成捨ての同玉の変化を詰まして余詰のない形しなければならない。
そしてそれ以上に難しいのがそれの手順前後の防止です。
それが1回飛横移動の回数を増やすごとに創作難易度が2乗倍して行きます。
これでも変化は少なくしたつもりなのです。

どうやって創ったかと言うと、まず32歩成捨てからの局面作りました。
と言っても飛を7回動かす事を想定しています。
5筋に詰方の駒を利かし、その駒を動かせないよう双玉にしました。そうでもしない限り7回は無理と思ったからです。
そこから玉横移動・飛横移動を1回1回逆算で、1段目成捨てを逃げられた変化と2段目同玉の変化(5筋は必要ない)を詰み余詰を消して行った分けです。
最後81歩でしたが、7筋と6筋の歩成がどちらが先でも詰むので81とにしたら、72同とが詰まず46成銀を置きました。
生銀だと42同玉の変化で23飛、34玉、24飛成、45玉で詰みません。

コミカル性を主張した作品では変化は簡明なほど良いと思っていますがこれが精一杯でした。」


前作とは一転してごちゃごちゃとした初形。
歩成と香成を繰り返して飛車を一路ずつ連れてくる狙いは見えやすいので解くには易しいと思うが、作るのはやはり一筋縄ではいかないようだ。
例えば本作では5筋に香を配し、途中で一旦盤面を切るという発想で香成に対して逃げる変化を処理している。
これは面白い発想だと思うが、それでも7回移動させるには十分ではなかったようで81となどに苦労の跡がある。
趣向的な手順に見えて、Fのところで破調があるのもやむを得ずそうなってしまったとのこと。

ところで、作者コメントを読むと作者がどういうことを考えながら作図しているのかが見えてきて面白い。
構想はあるのだけれど図化できないという方は参考にされたし。
ただし、本格的な完成図を得ようとする場合は一つの発想に固執せず、他の実現方法も探ってみて比較検討する必要があることは付け加えておく。
例えば本作では、香5筋を切る発想は面白いとは思ったが、他の発想と比較してみないことには最善かどうかはわからない。
尤も、このような作品ではそこまで肩に力を入れなくともよいと思うし、三輪氏もそこまではされていないと思うが。

もしかしたら、いや宇宙のように広い詰将棋の可能性の中にならきっと、より良い図が眠っている。
そう考えはじめると切りがないが、もし有志がおられたらもっと簡明な飛車の蟹歩きの実現に挑戦してみてほしい。
できれば98飛→18飛で……

え?お前がやれって?
すいません勘弁してください(汗



[ 2014/02/14 03:00 ] 自作以外 | TB(0) | CM(2)

とある作品の改作図の改作図1

前々回出題した詰将棋に対して三輪勝昭氏より改作図を頂いたので紹介します。

尚、出題図の解答については前回のエントリーで。

miwa01.jpg

12歩、21玉、22歩、31玉、32歩、41玉、42歩、51玉、52歩、61玉、62歩、71玉、72歩、81玉、82歩、91玉、83と左、95竜、81歩成、同玉、71歩成、イ 同玉、61歩成、ロ 同玉、51歩成、ハ 同玉、41歩成、ニ 同玉、31歩成、ホ 同玉、21歩成、同玉、11歩成、ヘ 同玉、44角、21玉、22馬、迄25手詰


イ 91玉は35角、55合、88金、迄
ロ 81玉は71と、同玉(91玉は35角)、63と、35竜、72と、迄
ハ 71玉は63と、35竜、72と、迄
ニ 61玉は34馬、71玉、63と、35竜、72と、迄
ホ 51玉は41馬、61玉、52馬、71玉、63と、35竜、72と、迄
ヘ 31玉は13角成、迄


三輪勝昭(作者)「発表作改作の二つの歩を打って成捨てる感触が良かったので4歩にしたらと思って創った図面をコメントしました。
これは改良図と思ってコメントしたのではありません。単なる思い付きを図面にしただけです。
そこで更なる思い付きで、どうせなら最多の8歩連打成捨図をと思いました。
帰りの成捨てを同玉と取らせる機構が浮かばなかったので、一手一手変化を作りました。
それでも変化と配置は極力少なくを理想としました。
それは自分では理想通り出来たので、その意味では会心作です(笑)。
お笑い系の作品ですので下らないと思って頂ければ幸いです。

尚、元になった作品のテーマは飛の横移動なのにそれに気付かず、テーマを勘違いしていたのは恥ずかしいので内緒でお願いします。」


手順を並べれば狙いは一目瞭然、8歩連打~成捨てである。
この手の作品は往路の成立が比較的容易なのに対して、復路の成立が中々難しい。
なぜなら、往路は歩打に戻る手はないが、復路は歩成に対して取る手だけでなく逃げる手があるからだ。
本作が素晴らしいのは、その復路の変化処理がとてもシンプルになされている点だと思う。

往路は玉は淡々と左に逃げるほかない。72歩、82歩は取ることができるが、83と左以下簡単だ。
91玉まで追ったところで83と左と開き、95竜と竜をここに移動させる。
これが玉を91まで追った目的であり、あとは11まで玉を戻すことができれば44角が実現する。
ところが先述のように、復路では歩の成捨てに対して玉をかわす手がある。大丈夫なのか。
実は成捨てをかわすと、イ~ヘの変化手順のように、歩が消えた効果によって角の王手(変化手順中、太字で示した手)がかかるようになっていて、早詰になるのだ。
上手く角のラインが配置されているもので、結局ほとんどこの2枚の角のラインだけで復路の変化処理を成立させていることになる。
非常にシンプルで、作者が理想通りできたというのも頷ける。

しかし、気になるのは類作の有無。
自分は作例に詳しくはないのであまりはっきりとしたことは言えないのだが、8歩連打~成捨てというテーマでは恐らく多くの作品があると思う。
とてもシンプルにできているだけに、似たような変化処理の機構を持つ作品があったとしてもおかしくはない。
詳しい人があればご教示頂ければと思う。

ところで、自作のテーマは還元玉もそうと言えるかもしれないが、どちらかといえば飛車の蟹歩き。
三輪氏は勘違いしていて恥ずかしいと言われるが、それはむしろ自分の表現力が至らなかったということだろう。
テーマを伝えるのは難しい……。


もう一作三輪氏からは飛の蟹歩きのテーマを延長した改作図を頂いているが、それはまたエントリーを改めて紹介する。




[ 2014/02/05 09:00 ] 自作以外 | TB(0) | CM(0)

詰将棋パラダイス 2008.11 ヤン詰② 改作図

010b.jpg

12歩、イ 21玉、22歩、31玉、42歩成、ロ 同飛、21歩成、同玉、A 32角成、同飛、11歩成、同玉、22角成、同飛、13竜、12飛、22桂成、迄17手詰


A 22角成、同飛、同桂成、同玉、12飛、21玉、以下逃れ
A 22角成、同飛、同桂成、同玉、12角成、同玉、13飛、22玉、以下逃れ

イ 同飛は同角成、同玉、22角成、迄
ロ 同玉は24角成、同金、43金、31玉、41角成、同玉、52竜、31玉、32竜、迄


010a.jpg

12歩、21玉、32角成、同飛、11歩成、同玉、22角成、同飛、13飛成、12飛、22桂成、迄11手詰


誤/無6 A29 B47 C8 平均2.25 首位予想12


ブログに発表作を纏めるにあたって過去の作品を見ていたら、こんな完成度で投稿したのか、というようなちょっと酷い作品がちらほらと目に付いた。
その内の一作を改作して棋友に見せると、中々の好評価を得られたので、ならばとブログで発表させて頂いた。

発表図はヤン詰の「還元玉」という課題に対して作ったものであり、そこに飛車の蟹歩きというテーマを持たせたつもりだったが、改めてみてみると飛車の移動距離はまだ延ばせそうだったし、34銀や41桂といった雑な配置も気になった。
そこでテーマの強調、つまり飛の移動距離を長くすることを目標に改作を試みたところ、規則的な積み崩しが綺麗に入ってくれて、作品として満足のいくものにはなったと思う。

とはいえ、テーマが十分に伝わるようなものにはならなかったようで、積み崩し手順や、歩打ち~成捨てをテーマと捉えた人も多かった。
本作に関して言えばそれらは飛車の移動を成立させているメイン手順であり、見所の一つでもあるので、それほど作り方を間違えたというようには思っていないが、テーマを伝えることの難しさを実感した次第。


ところで、本作に対してさらにテーマを延長した改作図を三輪勝昭氏より頂いたので、次のエントリーで紹介する。


[ 2014/02/02 06:00 ] 発表作 | TB(0) | CM(0)
プロフィール

くぼ

Author:くぼ
とある詰将棋作家

アクセスカウンタ