くぼの詰将棋

タイトルは怒られたら変えますw

詰将棋パラダイス 2014.10 表紙

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A 21銀生、 23玉、B 12銀生、 22玉、C 23銀成、 同玉、32角、22玉、21角成、23玉、32馬、12玉、23銀、同銀、21馬、迄15手詰


A 21角、11玉、12銀、22玉、23銀左成、同銀、以下逃れ
B 32角、22玉、12銀成、31玉、21角成、42玉、以下逃れ
C 44角、12玉、21銀、23玉、以下逃れ
C 33銀、12玉、21角、11玉、22銀成、同玉、32角成、12玉、以下逃れ

22玉は32と、23玉、33と、14玉、36角、25合、15銀、迄
12同玉は21角、23玉、32角成、12玉、23銀、同銀、21馬、迄早い
23同銀は44角、31玉(12玉は21銀)、22銀、42玉、33角成、迄


解答者103 誤8



初の表紙入選作。
初手から銀を連続で3/4回転させるのが狙いで、左からいきなり23銀成だと同銀で詰まないが右から回転して22玉型にすれば23銀成を同玉と取らせることができるという微妙な差の上に成立しているのは面白いと思う。
後半はやや間延びした感じがあるが、変化を変化同手数にしないためには仕方がなかった。
構図上は32や21に銀があると邪魔になるという設定がうまくいき、中々コンパクトに纏められたのでないかと思っている。ただ52歩だけはちょっと残念な配置。


発表後、本作を見たあるプロ棋士の先生から「なぜ▲32銀→21銀、12香追加/△12玉→23玉と2手逆算しなかったのか」と尋ねられた。
難しい比較だとは考えつつも最終的にその案を採らなかったのは、発表図の方が21銀生~12銀生~23銀成の味が良いと思ったからだ。これは個人的な感覚に他ならないが、一応原因を分析してみるなら、12香が邪魔駒然としてあることで32銀生~21銀生(~12銀生)までの手順が必然となり、結果的に1/2回転以下に感じられてしまうためだろうか。
そのようなことを答えるとその先生は「なるほど」と言って下さったが、納得してもらえたのかどうかはわからない。ただまあ、今でもこの選択は正しかったと作者は思っているのである。


岡○正貴「32銀の消去が旨い。昔なら百点をつける所。」
止○丘八「銀の3/4回転、横着して逆に回ると同銀で詰まない。」
中○増一「22玉の形にしないと23銀成が成立しないのが面白い。」
ほかにも嬉しい短評が沢山あった。表紙作は短評が多く掲載されるのも魅力の一つと思う。



[ 2015/09/24 15:00 ] 発表作 | TB(0) | CM(2)

詰将棋パラダイス 2014.9 創棋会③

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23銀、同玉、A 26飛、 同角生、14角、13玉、32角生、15角、14歩、22玉、23歩、33玉、43角成、同銀、22飛成、迄15手詰


A 14角、13玉、32角成15角生、以下逃れ
A 14角、13玉、32角生15角成、14歩、同馬、同角成、同玉、15歩、25玉、以下逃れ

同角成は14角、13玉、32角成、15馬、14歩、同馬、22馬、迄


誤4 無4 A25 B8 C0 平均2.76



創棋会の課題「同種駒の成・不成」に応えたもの。
この課題に対してふと考えたのが角成には角生、角生には角成という手順(紛れBの手順)だった。
ところがこれ、片方を詰むようにして纏めると対比がとてもアンバランスになって美しくない。
そこで上記の2つの手順をどちらも紛れとして設定し、この紛れを避ける鍵として打診手を導入して纏めることにしたのが本作である。

そういうわけでテーマは端的に言って「成生の対比」、手順で言えば「成には生、生には成とされて逃れ。そこで26飛として玉方に先に成生を選択させ、成には成、生には生を後から選択する」ところ。
通常「打診」という構想において成生が関わるのは玉方の選択だけであるが、本作では攻方の選択も成生によっているところに注目してほしい。
結構苦労しそうなテーマかとも思ったが、よい構図が見つかり配置や収束などすっきりと纏まったので、作者的には不満のない仕上がり。これであともう少し気の利いた序が入っていたら会心の出来だった。

ところがどこで勘違いしたやら、創棋会の課題は「同種駒の成・生」ではなく、「同種駒の成・生を含む」だった。
小さな違いに見えて、これが全然違う。本作のテーマは間違いなく角の成生だが、作意に成はオマケ程度のもの(43角成)しか現れないし、ましてこれはテーマを彩る成(32角成)とは別のものだ。
出題稿で気づいたので手遅れだったのだが、この課題なのであれば創棋会での発表は見送って詰棋校にまわしたほうが作品のためだった気がする。かなり後悔。


結果稿を見る限りこのテーマは解答者にあまり伝わらなかった。
課題とのミスマッチが原因だったとしたら、作品に対して申し訳ないことをしてしまった。

永○勝利「課題の内容から、成生が反転する方が格好良いが、そうもいかないか?」

まさしくその通りで、この課題に応えるのであれば作意手順上で反転させるべきところだろう。そりゃあ伝わらないか……。


「同種駒(角)の成・生」がテーマの作品として、改めて鑑賞していただけたら作者としては嬉しい。



[ 2015/06/01 03:00 ] 発表作 | TB(0) | CM(0)

詰将棋パラダイス 2014.9 アマ連杯握り詰③

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34銀、 53玉、73飛成、44玉、63香生、55角、45歩、53玉、62香成、73角、44角、同飛、52と、迄13手詰


44玉は62香成、55角、45歩、53玉、73飛成、同角、44角、同飛、52と、迄2手早い


誤0 無3 正22



第30回詰将棋全国大会のアマ連杯握り詰(駒種:玉飛飛角銀桂香歩5)に出品したもので、幸運にも3位に入賞を果たした。
主眼は5手目63香生と、それに対比させた変化。作意でも62香成が現れるのは一面的には興ざめだが、これにより作意と変化の差異が63香生の有無だけになったのはちょっと面白い構成と思っている。

収束は限定の角合から龍と角を捨てることができて作家的には文句なし。
駒配置もピッタリで、「握り詰としては」最上の仕上がりだと我ながら思う……がしかし、本作一番のアピールポイントと言えるかもしれないこの点に、実は作者はほとんど関わっていない。

あるとき私は暇を持て余し、毎日1作の詰将棋を作ろうという三日坊主の計画を立てた。その中で出来上がったのが本作の原図(32と→金)である。
そしてたまたまその頃、アマ連杯の握り詰駒種が公表された。たまたま在庫に上の原図を見つける。32の金をと金に換える。完成。
もともとは普通作として作ったのだから、そりゃあ握り詰に比べたら纏まっていないと話にならない。纏まっていないと作家の沽券に関わる大問題だ。そういう事情で、本作は握り詰としては上々の仕上がりなのである。


短手数で易しいということで、本作だけでも解答してくれた方がいたのはありがたかった。

竹○健一「2手目の変化で香の移動先が違うのはうまい。」
岡○行晃「久保紀貴先生!やさしい作品をありがとう!(参加できて嬉しい。)」

先生はいくらなんでも面映い……(笑)


[ 2015/05/05 01:53 ] 発表作 | TB(0) | CM(0)

詰将棋パラダイス 2014.9 短11

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A 65龍左、 66金、同龍、同玉、67歩、同玉、65龍、 66金、68金、同玉、66龍、 67角、69金、同玉、67龍、 68金、58銀、59玉、37角、同と、68龍、同玉、69金、迄23手詰


A 65龍右、66桂、a 87龍、77香、76龍上、57玉、77龍、68玉、以下逃れ
( a 56龍、68玉、66龍、67銀、以下逃れ)

66桂合は68歩、78玉、76龍、68玉、66龍、67金、同龍、同玉、59桂、68玉、28龍、57玉、67金、迄
66角合は同龍、同玉、93角、67玉、65龍、78玉、76龍、88玉、66角成、97玉、98歩、同玉、78龍、97玉、88龍、96玉、97歩、95玉、84馬、迄2手早い
66飛合は68金、同玉、66龍、67合、58飛、69玉、67龍、迄
67歩合は79金、59玉、57龍、49玉、58龍、39玉、38龍、迄
67銀合は69金、同玉、67龍、a 68金、58銀打、59玉、68龍、同玉、69金、迄2手早い
( a 68飛は78銀、59玉、68龍、同玉、58飛、迄2手早い)
67金合は69金、同玉、67龍、68金、58銀、59玉、49金、迄
68飛合は78角、59玉、68龍、同玉、58飛、迄2手早い


誤2 無9 A27 B13 C1 平均2.63



初手65龍右が誘い手だが、桂合で逃れる。28龍の筋を残して65龍左とするのがちょっとした導入。
以下6筋で計4度の合駒が発生するのが主眼で、手順に統一感があって軽趣向的かと思う。
私はこういう自然に発生した雰囲気の趣向的手順が好みで、配置が簡素なこともあって結構気に入っている。

もっとも本作は純粋に逆算創作によるもので、主眼は後から付加されたもの。素材は収束の67龍、68金、58銀、59玉、68龍、同玉、69金という5手で、そこから6筋で限定合を出すように意識して逆算した。
ある一定の方向性を定めて逆算すると手順に統一感が生まれて綺麗に仕上がると思っていて、本作は駒数の増加も抑えられて特に上手くいったと思う。
6筋の合駒をもっと増やすことはできるだろうが、バランスを考えればここで切るのがベストと判断した。あくまで趣向的なだけであって本格的な趣向作というわけではないので、回数を増やせばよいというものでもないはず。

結果稿を見る限りでは概ね好評だったようなのでそこは一安心。

[ 2015/01/12 03:00 ] 発表作 | TB(0) | CM(0)

詰将棋パラダイス 2014.7 デパ②

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A 55角、同歩、35角、 同飛、36桂、同飛、55金、43玉、35桂打、 同飛、同桂、同香、45飛、44桂、同飛、同銀、54金、33玉、45桂、同銀、34歩、同銀、32銀成、迄23手詰


A 35角、同香、55角、43玉、35桂、同飛、44香、33玉、以下逃れ

同香は55金、43玉、35桂、同飛、44香、同銀、54金、33玉、34歩、同飛、32銀成、迄
同香は同桂、同飛、44香、同銀、54金、33玉、34歩、同飛、32銀成、迄


誤0 無2 正27



序は手順前後(紛れA)さえ気をつければこれしかない。
岐路は10手目。35桂打に対して、同香と同飛の二択があるが、果たしてどちらが正解だろうか。

いずれにしても同桂で攻方に取られることになるので、普通は香で取るところだろう。
しかし同香には同桂~44香~54金と進めて、33玉に34歩が打てて詰んでしまう。(変化

そこで10手目は35同飛と飛で取るのが正着。
以下先ほどのように同桂~44飛~54金と進めると、33玉に34歩が打歩詰になるのがその効果だ。
すなわち、玉方は10手目35同飛と敢えて飛を渡して香を残し、34に利きを生じないようにするのである。

ところが以下同桂、同香と進んで、今度は35が香であるために45に利きがなくなっている。
これにより攻方に45飛を許し、桂合を稼がれてしまうのがアイロニカル。
後は54金、33玉にその桂を用いて45桂、同銀と34地点の打歩詰を解消し、34歩、同銀、32銀成、迄予定調和的に詰め上がる。


本作の狙いは勿論10手目の「置駒による飛先飛香玉方応用」。
飛先飛香玉方応用は通常「敢えて飛を渡す」ことでその過剰な利きによって打歩詰に誘致する。すなわち「攻方にどちらを渡すか」という選択が重要になるわけだ。
しかし本作では「敢えて香を残す」ことでその不足な利きによって打歩詰に誘致する。すなわち「玉方がどちらを残すか」という選択が重要となるのである。
第一号局であるかどうかは自信が無いが、少なくとも目新しさはあるはず。

この構想の原点は「なぜわざわざ置駒で飛先飛香玉方応用をやるのか」という批判だった。
「通常の飛先飛香玉方応用を置駒で表現したからと言って、そこに本質的な差などない。それどころか精算を前提としてしまう上、飛を渡した局面と香を渡した局面とは微妙に異なっているのは、表現上の劣化ではないのか」というのがその要点である。
しかししばらくして「飛を渡した局面と香を渡した局面とは微妙に異なっている」ということはむしろ積極的に利用できるのではないかと気付けたのは僥倖だった。
この点によって「同飛」と「同香」の差別化を試みたのが本作で、これは置駒によってしかできない。これであれば通常の飛先飛香とは本質的に異なるし、置駒でやる意義も明らかだと思う。

また、纏めはかなり気に入っている。
飛先飛香玉方応用によって生じた45の隙が逆用されてしまうという皮肉、そして結局34の打歩詰が解消されて詰むという予定調和が私の美的感覚に合っていて、個人的にはこれ以上ないとさえ感じる。

一方で序は66を追加しなければ成立しなかったのがちょっと惜しい。とはいえ悪い手順ではないと思う。
尚、変化は変化と似ているが、6手目の同飛は55に飛を利かしておくためで飛先飛香とは関係がない。念のため。


普通の飛先飛香玉方応用との違いを感じ取ってもらえるかは少し不安だったが、結果稿ではわかりやすい解説と次のような作者冥利に尽きる短評があってありがたかった。

永○勝利 「一種の飛先飛香ですが、こんな表現もあるんですね。」

[ 2014/12/12 05:00 ] 発表作 | TB(0) | CM(5)