くぼの詰将棋

タイトルは怒られたら変えますw

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詰将棋全国大会参加記① 前夜祭

全国大会前日の7/15(土)、前夜祭があるということなので16時頃に名古屋着。
ホテルにチェックインしてダラダラしていたら、前夜祭に危うく遅れかけました(苦笑)



前夜祭は講義形式で、初めての試みでした。
予想以上の参加者が集まって椅子を追加で出すことになったり、講演者が時間ギリギリに来たために講義順が変更になったり(一体誰のことなんでしょう)、ちょっとした(?)バタバタはありましたが無事開幕。

まずは堀内さんの「詰将棋の主な創作・解説支援ソフトの紹介と提案」。
タイトル的に加藤さんのeurekaについての話かと思ったのですが、柿木将棋など既に広く普及したソフトに関する紹介と活用法がメインでした。
個人的に興味を持ったのはshogizumen.js。図面拡大時に文字がギザギザしてしまうのが気になっていたので、ベクタ形式で画像を作れるというのは大変魅力的に感じました。
また「柿木将棋から自動で詰パラ表記の手順が出力できると嬉しい」というご提案には、担当者として全面的に賛成です。8月のたま研に参加される方は是非そのような意見があったことを伝えてもらえたら嬉しいです。
かく言う私は、帰省を優先したため不参加の予定です。予定は未定ですが。

次は鈴川さんの「美学・藝術学の視点から現代詰将棋を俯瞰する」。
非常にアカデミックで鈴川さんらしい内容、個人的にはとても楽しませていただきました。鈴川さんが仰るほど万人向けではないような気はしましたが(笑)
特に注目したのは、タイトルの意義について。「タイトルは作品の精神性を表しており、詰将棋を芸術たらしめている」(やや意訳)というのはなるほどなというところです。芸術サイドの例としてデュシャンの「泉」を挙げたのもわかりやすかったですね。
そういえば、鈴川さんの講義ではメタファーが多く使われていると感じました。なかなか難解な講義内容でしたが、それをわかりやすく伝える工夫がなされていたと思います。

そして最後は僭越ながら私の「連続合の研究」。
スライドにおける題目は「れんあいスタディ」としておりましたが、まあそれは半分ネタなので。
主たる目的は「連続合構想をどう捉えたら楽しく鑑賞できるのか」を伝えること、もっと噛み砕いて言えば、「連続合の何が新しくて、何が既存なのか」を伝えることでした。
もちろん本講義を受けて新しい連続合が生まれたらこの上ないですが、基本的には誰でも楽しめるように構成したつもりです。
使用した資料はこちらから。パスワードは170715です。
(17/09/01にファイルを再アップロードしました。1ヶ月で消えてしまうようなので、DLはお早めに。)



21時30分過ぎに前夜祭が終了し、居酒屋へ。
さらに翌日の本会へと、全国大会は続いていくのであった……
to be continued
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[ 2017/07/23 03:00 ] 余話 | TB(0) | CM(0)

第3回とり研参加記③

怒涛のとり研編、ついに完結!



21時40分、居酒屋「笑笑」の前に6人が再集結。三次会だ。

■完成品とは
真の完成品は、1枚も配置を変えたり動かしたりすることができないものだという話。
それは最善を尽くしても滅多に得られるものではなく、幸運あって初めて得られる。
人には人事を尽くし、天命を待つことしかできない。

■上谷さんの会心作
下の図は詰将棋パラダイス2014年11月号大学補講の上谷さん作。



当時大学の担当は利波氏だったのだが、縁あって大学補講を解説させてもらった時の一作で、強く印象に残っている。
馬ソッポの導入、趣向で41角を裏返すメイン、そして馬捨てで決める収束迄完璧だ。
上谷さんは三次会で本作について「これ以上のものは……」と言っていた。
でも上谷さんならきっと、という気もする。

■解説するけど解けない
私のような弱小担当者は作品を解説こそすれ、いざ解けと言われても解けない。
なんだか矛盾めいたものを感じないこともない。

■投稿してから改作案に気付く
短コンの上谷さん作に改作案があったという話。
どうやらもう1枚の角を打つところからはじめられるようで、配置のバランスも良くなる見事な改作案だった。
投稿してから気付いたとのことで、やっぱり推敲は大事だなと。

■2ヶ所理論、役割理論
全ての配置駒に2つ以上の役割を持たせようという話。
例えば一つの余詰を消すためだけの駒、一つの変化を詰ませるためだけの駒、などは味が悪いということ。
普段意識して配置の効率を良くしようと努めているのだが、上谷さんも同様の考えを持っていたと聞き意気投合した。
ちなみに呼称はこのときの即興なので、特に以前からこう呼んでいたというわけではない。
ちなみにちなみに、役割理論とはポケモンにおいては(ry

■梶下さんの新作
桃燈さんとの合作らしい。
「駄作」と謙遜されていたが、全然そんなことはなく、むしろメインとなる手順とあの収束とをよく結びつけたものと思った。
近いうちに本誌で見られる……はず。

■自作
上谷さんにはいたく気に入ってもらえたようで、とても嬉しかった。
またこの時の図には不満があったのだが、これをきっかけとして奮起し、改良できた。とり研様様。

■錬金術
逆算がうまいってのは錬金術を持っているようなものだよねという話。
私もたまにアイデアがないときに逆算を試みるのだが、金はおろか鉄すらできない。



以上でとり研参加記はおしまい!
ご愛読ありがとうございました!くぼ先生の次回作にご期待ください!
[ 2017/04/07 20:00 ] 余話 | TB(0) | CM(2)

第3回とり研参加記②

週末に詰工房、えび研、解答選手権と参加してきた。
でも当ブログではまだとり研がつづく。



舞台は米子駅前の居酒屋、旬門へ。
美味しいご飯を食べながら、詰将棋談義。
トピックが多いので簡潔に書いていく。

■国試
国試に落ちればもう1年遊べる(とり研も開催できる)、というヤケクソ中合の手筋。
これは国試に限らず大学入試や進級試験にも応用できる汎用性の高い手筋だ。

■創棋会作品集
次回創棋会作品集がいつになるかはわからないが、一度でも創棋会作品展に入選した人には依頼が飛ぶとのこと。
WEB作品展での入選も例外ではないようで、山路さんが「教材に使える10手台」に投稿しておけばよかったと嘆いていた。
作品集を作る際の苦労話や、「編集の鬼」宇佐見正氏の話なども。

■ブログアクセス数
おもちゃ箱に掲載されるとアクセスが増えるのはご存知の通り。
でも裏短コンの記事とかの人気記事と被るとおもちゃ箱トップに取り上げてもらえないから、バッティングを避けるようにしているという話が聞かれた。はずなのだけれど、誰が言っていたかを忘れてしまった。
アクセス数は麻薬のようなもので、一度それが増える喜びを体感してしまったのでブログを書くのがやめられないとは吉松さんの言。
それから、上谷さんがフェアリーの記事よりも伝統詰将棋の記事の方がアクセス数が多いこと、しかも最もアクセス数が多かった記事は山路さん作を解説した記事(これかな?)であったことを嘆いていた。
あれ、でも調べたわけではないけどこのブログも一番アクセス数を稼いだのって相馬氏作品展の記事なんじゃ……。

■記念撮影
19時過ぎ、吉松さんが先に帰られるということでみんなで記念撮影。

■スマホ詰パラ
昔はもっと人が少なくて、みんな仲良くやっていたという話。
最近コメント欄がサツバツとすることがあるよね。

■詰パラの電子書籍化
詰パラを電子書籍化しようという話。あと、Amazonにも置いた方がよいという意見も。
山路さんは暫く『詰将棋パラダイス』の存在を知らずにいたらしく、たまたま上谷さんが同級にいてその存在を教えていなければ、これまでのそしてこれからの氏の名作は生まれなかった。
と考えると、やっぱりもっと入手しやすい環境を作った方がよいのかもしれない。

■フェアリーを始めたきっかけ
上谷さんはフェアリー界のレスポンスの速さに惹かれてフェアリーを始めたとのこと。
確かにパラは採用や返送までに数か月かかる(どこかの誰かみたいな怠け者担当だと返送に1年以上かかったりも)するわけで、それと比べるとネット上でやりとりできるWFPはスピード感がある。

■詰将棋タイトル戦
その昔、入選が300回を越えると詰棋王位の資格を得たとか。
その話から発展して、詰将棋順位戦はせっかく順位戦という名前なのだから優勝者を名人にしたらどうかとか、季開催の同人室で最高得点をとったら王位にしたらどうかとか、解答競争で優勝したら竜王だとか、そんな感じにタイトル名をつけたら盛り上がるんじゃないかと。実質的には名前がつくだけなんだけど。
その関連で、月間の春霞賞候補作も、候補作というのではなく月間賞と呼んだ方が作者のモチベーションにつながるという話もあった。

■握り詰
山路さんによると、握り詰を作るコツは「ネタを見つけて頑張ること」らしい。
昨年のアマ連杯は「角と香があったら普通は飛合を考えるので、自分は角合にしてみた」んだとか。
いや、全然参考にならないんだけど……。

■看寿賞
中編が特に激戦と予想された。
大学の山路作も有力と思われるため、中編賞二連覇もあるのではという話になったところで、今回一の名言(迷言?)が飛び出した。
「0%ないです」

■うま研vsとり研
本誌でページをもらってやろうと企画中。
負けたら勝った方の会合に強制参加という地味に痛いペナルティがあるらしい。怖い。
とまれ、こうご期待。

■Twitterは怖いね
Twitterとは適度に距離を置いて、また発言には気を付けようという話。
最近は特に色々あったからなあ。

■山路さんのブログ
開設されるとのこと。でもタイミングは非限定?
こちらもこうご期待!

一部オフレコにしたが、こんな感じで二次会も終了。
山路さんは翌日予定があるとのことで帰途についた。
しかしほかの6人はホテルへのチェックインを済ませた後、笑笑の前に再集結。三次会へと移っていくのであった……。
[ 2017/03/27 23:43 ] 余話 | TB(0) | CM(0)

第3回とり研参加記①

随分とご無沙汰しておりましたが、また不定期に更新していきたいと思います。
予定は未定ですけど。

以下参加記。


3月19日9時半、羽田発の飛行機で米子へ。米子駅に着いたのは12時頃。
腹が減っては戦えないので、まずは腹ごしらえのためとんきんというカレー屋さんへ。
バーグカレーの大盛りを食べたのだが、これがなかなか美味しかった。注文してからハンバーグを作ってくれるのにも好感。
しかしそのため(+少し並んでいたため)、会合には遅れてしまうこととなった。

13時20分頃、会場となる同窓会館に到着。
当然ながら、みなさんお揃い。ゴメンナサイ。
参加者は主催の上谷さん、山路さんをはじめ、吉松さん、真島さん、小林(尚樹)さん、梶下さん、小池さん、そして私の計8人。
私が言えたことではないが、特に小池さんは遠路はるばるの参加なので驚いた。
それだけ鳥取県の注目度が(詰キスト的には)高いということなのだろう。

ところで、ここから先は細かい時間がわからない。
時はアッという間に過ぎて、気付けば本会が終わり、2次会が終わり、そして3次会も終わってしまった。
中には手順前後になってしまっている出来事もあろうが、あまり気にしないでほしい。

さて本会。
はじめは山路さんの中学校手数の作品を解図した(はず)。
ひねくれているため主眼手は第一感で見えたが、その先の変化・紛れに嵌って苦しむ。
見事詰ましたのは真島さんで、聞けば詰上がりから逆算して解いたとか。うーん、技術の差が出てしまったか。
作品の方はちょっと配置が重たく感じたので言ってみたら、真島さんや上谷さんが改良の方向性をたくさん示してくれて、流石だなあと。口だけの私は黙ってそれを見ていた次第。

続いて小林さんの中編。
らしい初形に、らしい手順。大学の作品を彷彿とさせる物凄い手順だったが、初手を省けば4枚減ると聞いて、配置はもう少し何とかなるのではという話になる。
具体的な方向性までは見えなかったが、小林さんならきっと素晴らしい配置を見つけてくれるはず。
惜しむらくは大学手数ではないことか(笑)

再び山路作。今度は小学校手数。
10分くらい悩んで、漸く詰み筋が見えた……んだけど、なんだかつまらない手順。でも何度考え直してもそれで詰んでいる。
思い切って手順を並べてみると、どうやら作者の見落とした変同だったようだ。
かくして私のお蔭で一つ作品が救われることとなったのである(エッヘン)
まあ、このとき既に小学校担当の方から変同指摘のメールがきていた(が、気付いていなかった)らしいので、私が指摘しなくても遅かれ早かれ修正されていただろうが……。
作意は私の見落とした限定合が妙手で、綺麗に纏まっていた。

真島さんの簡素形。
すぐにも詰みそうで、これが手ごわい。多くの紛れで限定打、限定合が出るので、どれも作意に見えてしまう。
作意は意表の一着で文句なしの好作。近いうち発表されることだろう。

上谷さんの透明駒。
以前にTwitterのDMで見せてもらって解いた作品だが、會場さんの指摘で不詰が発覚したとのこと。
言われてみると、確かに作意不成立。全然気づかなかったよ……。流石は會場氏。
それを受けての修正図は見事なもので、原図の美しさを維持していた。でも検討はやっぱり大変そう。
こうしてみると伝統詰将棋における柿木将棋の存在は大きい。

真島さんの最悪詰。段々妖精界の霧が深くなってきた。
最悪詰とは「攻方は詰まないように攻める」「玉方は詰まされるように受ける」というルール。
なかなか感覚が掴めず戸惑ったが、玉方はドMなんだと考えたらなんだかしっくりきた。
作意は素晴らしい手順で、これだけの駒数でこれだけの手順が実現できるのだというフェアリーの魅力の一端を見せてもらった。

上谷さんの名刺に刷られた禁欲詰。
私は以前(奇しくも第一回とり研の折)に見せてもらったことがあったので、柿木将棋を借りて行きの車中で作った作品の検討。
禁欲特有の手筋に「なるほど」と頷く声を背に、当然のごとく見つかった余詰を修正していた。
途中で山路さんに暫定修正図を見てもらったが、まあこれじゃ駄目だよねという感じの反応。もっと頑張らねば。

創棋会の「教材に使える10手台」作品展。
吉松さんが世話人ということで、全作品を刷ったプリントが配られた。
「やさしい20手台」、「年賀詰」と創棋会のネット作品展にはお世話になったので解答を送りたかったのだが、
そのうちそのうちと思っているうちに締切を迎えてしまった。いつものことながら酷い時間感覚だ。
吉松さんごめんなさい。
でも半分くらいは上級者向けの難しいのを出したどなたかの責任もあると思う(責任転嫁)

創棋会企画をパクった「教材に使えるフェアリー」作品展。
こちらは上谷さんが世話人。なぜか私も出品している。明らかに教えてもらう側なのに(笑)
私の作品を解いてもらったり、青木さん、ほっとさん、神無七郎さんらの作品を解いたり。
いずれも綺麗で面白い作品で、どんどん肩身が狭くなる。
なぜか山路さんのは並ばなかったけれど、帰ってから解いてみるとこれも巧い。
まあそんなにすぐ良いのが作れるとは思っていないし、一歩ずつ行こう。

解図は一休みして、解答選手権の話。
今週末は上谷さん、山路さんともに東京に来るとのことで、折角なので解答選手権に参加すれば、という話に。
私の記憶に間違いがなければ、山路さんは参加するという結論になったはず!

そうこうしていたら、梶下さんと上谷さん、山路さんが何やら内緒話。
「あれ、いっちゃいますか」ということで梶下さんがトランクからおもむろに取り出したるは……なんと詰棋書の山!
『将棋墨酔』や『近代将棋図式精選』といった貴重な本も見え隠れ。
これらは本会終了まで窓際に展示されていた。

休憩タイムが終わって、上谷さんの将棋世界投稿作を解図。
双玉特有の応酬から最後は惚れ惚れとする収束まで、完璧な一作。イチオシでござる。

このあたりで2次会の時間になる。
そろそろ居酒屋に向かいますかというところで、梶下さんから衝撃の発言が。
なんと展示してある詰棋書を、読まないから下さると言うのだ!
私はありがたく『近代将棋図式精選』をいただいた。梶下さん、ありがとうございます!
本書については後日(もちろん読み終わってからだが)何か書きたいと思う。

さて、舞台は2次会へ。
つづきはwebで!じゃなくて参加記②で!
[ 2017/03/22 21:23 ] 余話 | TB(0) | CM(3)

Twitter詰将棋選手権⑲



千年回廊 作


43角、 63玉、52角成、 同玉、41角、61玉、62金、同玉、12飛生、52桂合、同角成、73玉、74金、82玉、53馬、72桂合、64馬、93玉、75馬、82玉、83歩、同桂、73金、同玉、85桂、63玉、13飛生、54玉、53飛生、45玉、46歩、44玉、35と、同玉、33飛成、34桂合、53馬、25玉、26馬、同桂、36銀迄41手。

64玉は65金、73玉、64角、83玉、61角成、84玉(72合は同馬、同玉、12飛成以下)、75角、73玉、53飛成以下早い。
55玉は65金、56玉、16飛成、57玉、66龍、58玉、67角、69玉、79金、59玉、57龍、58飛合、48銀、49玉、58角、38玉、39飛、28玉、17龍迄早い。
72玉は61角、73玉、74金、82玉、83金、同桂、同角成、同玉、95桂、82玉、83金、91玉、11飛成、81合、同龍、同玉、63馬以下早い。

評価数 13 誤無解・無評価 6+1
評点 4.54 [2 7 1 2 1 0]
順位 2


大トリを飾るのは千年回廊氏。
最近は本誌の短編コンクールでも優勝され、ますます期待がかかる次世代のエースです。(優勝おめでとうございます。)
本作も氏の実力が遺憾なく発揮された好作で、課題上の不利にもかかわらず2位となりました。

初形から玉が広く、序は少し厄介です。
でも滅茶苦茶に紛れているというわけではないので、に示したような変化を丹念に読んでいけば、そのうち正解に辿りつけるはず。
それほど煩雑でもないかと思います。

41角を据えてからが本番です。
61玉に62金を捨てて12飛成。え?作意は生だって?いやこういうのはとりあえず成っておくのがお約束。
対して52に捨合をするのは必須ですが、香と桂のどちらを合駒するか。

香合には同角成、73玉、74金、82玉に61馬と入るのが俗ながら好手となります。91玉に92香と打てるため、以下3手詰。
桂合のときは同様に61馬とすると、91玉に対して手がありません。
そこで今度は53馬とじっと引くのが妙に味のある手。91玉に対して64馬を用意しています。

ここの合駒も少し考えさせられます。
まず香合。これは同龍~73香と打ち、以下71桂を取って詰みます。
次に銀合。このときは一旦94桂~92歩、81玉と形を決めてから72龍が好手順で、以下簡単です。
というわけでやはりここも桂合が正解でした。
桂合にこれを取る筋では駒が足りないので、64馬と攻めます。

64馬、93玉に75馬は歩を補充して自然な一手ですが、対する84合が気になるところ。
84合には94歩と叩くのが好手で、同玉には84金、同桂、92龍、93合、86桂、95玉、93龍で、また92玉には72龍、82香合、93歩成、同玉、84金、同香、85桂、94玉、92龍でそれぞれ詰むのですが、敢えて上部に呼んで詰ますとは意外性のある変化手順です。

合駒が利かず82玉と下がる玉に、83歩~73金が駒を最大限に活かした踏み込み。
玉を73に呼んで85桂を据えれば、もう82には逃げられません。仕方なく63玉、さらに13龍に54玉と、はじめいた場所に戻っていきます。
そして53龍、45玉となった局面が問題の局面。

twitter19_uchifu.jpg

見ての通りの打歩詰。でもここで53龍が生飛車だったら……。
そうです、20手以上前に指した12飛成、今ようやくあの飛車を成ってはいけなかったことが判明するのです。
不成の構造自体はありふれたものですが、潜伏期間の長い伏線的な表現が素晴らしいですね。

53龍を裏返せば、46歩が打てます。
46歩、44玉、35と、33飛成に3度目の桂合が出て、53馬、25玉、26馬、同桂、36銀迄。
馬を捨ててスッキリとした詰上りとなります。

伏線的な飛生を軸に、好手を散りばめて纏められた好中編。
何より感心させられるのは、繋ぎの手順を成立させるための駒の少なさです。
左辺の手順は53歩、71桂、75歩のたった3枚によって支えられており、しかもそれらは最大限に活用されます。
例えば歩は合駒制限に働いた後、攻方に取って使われます。二歩禁のための歩配置は普通嫌われますが、このように多段活用されることでその嫌味がなくなり、むしろ効率的な配置に感じられるようになっているのです。
そして結果としてこれだけの駒数でこれほど濃密な手順を緩みなく紡いでいる。今後もこの作者に注目せずにはいられませんね!


tsumegaeru:
全面的に柿木解答です。この飛不成は凄い。飛車不成の効果が、玉が左へ移動してさらに大きく右へ移動してからと、心理的に大きな時間差があるので、不成の演出として素晴らしい。わざとらしい配置もなく自然と玉が移動しているように見えるのもいい。収束も決まっている。

鈴川優希:

逆算の技術がすごい。桂合ばかりで統一感あり。tsumegaeruさん?


鈴川氏をして逆算の技術がすごいと言わしめるとは。
作者当てははずれですが、tsumegaeruさんも上のように絶賛。

黄楊の輝き:
巧い伏線、その他も緩みない手順、何という完成度の高さ。文句なしの優勝でしょう。

divD:
潜伏期間の長い飛不成。合駒は桂で統一していて凄い。

たちおか:
主眼の不成だけでなく様々な技巧で装飾されていて、何度も盤に並べたくなります。

ゆーてん:
最後まで飛車が我慢して我慢して…というストーリー、超カッコよかったです!

そてつ:
飛不成から収束馬まで消して贅沢。

VAN:
難解だが収束まで隙のない好作。

河童生:
飛角(馬)のコンビで王を追い回す。途中、9手目に伏線の飛生が入って、
作者は大満足。3度の桂合、特に52桂の捨合は面白い好手です。

名無し名人:
評価に悩む作品。手順自体は飛生や捨合が入り収束も決まって良いのだが、広すぎというか、玉が動きすぎというか。divDさんかVANさんの二択で悩むが、VANさんと予想。最後のVANさん(晩餐)ということで(笑)


最後の晩餐www
それはそうと、舞台が動くのは一般に嫌われる傾向があり(狭い舞台で終始する方が、エコノミックなため?)、その点で評価を落とした人も。ただ意図的な設定ではない(各所に駒を配しているわけではない)ので、本作の場合そこまで気にすることなのかはわかりません。
まあかく言う私も気にならなかったというわけではないので、それを気にするのは詰棋病みたいなものなのかも(笑)

オオサキ:
悪い意味で盤を広く使っている。


こう言いながら5点をつけているのはツンデレ?

ぬ:
3回の飛不成がどうでもよくなるくらい難しい。


難解さに言及した評。
「易しいことが評価を下げることには繋がらない」とする最近の傾向を是とするなら、難解であることもまた評価を下げることには繋がらないというのが持論です。
が、難解さと隣り合わせになりやすい煩雑さは困りモノ。人によって序がちょっと煩雑に感じられるかもしれませんね。

三輪勝昭:
うちの柿木は解いて来ない。
難しいのはTwitter選手権には向かないと思うけど。


ナルホド。
大学に貰うのが正着でしたか。

桃燈:
3度の飛不成はなかなかだが、手数的に間延び感があるか。


手数が伸びたことを伏線的演出と捉えるか、テーマに対する間延びと捉えるか。
序から飛生が挿入されていればこそ、私は前者の立場でした。


これにてTwitter詰将棋選手権の解説は一旦終了です。(関連記事はあるかもしれませんが)
作品を提供して下さった方、解答を寄せて下さった方、そしてここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
そして長らくお待たせしてしまったこと、申し訳ありませんでした。

Twitter詰将棋選手権、これにて閉幕。
[ 2016/03/19 04:00 ] Twitter詰将棋選手権 | TB(0) | CM(0)


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